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2011/12/24

師も走る年末です

先日会社の忘年会が行われました。
それに、私が参加している『すまいをトーク』の忘年会だったり友人たちとのクリスマス会も今週終わって、ちょっと一息ついたところです。

そこで今週末から来週にかけては、個人的に年賀状ウィークとなります。
年賀状自体は早々と購入しておいたのですが、やっぱり切羽詰まらないと重い腰は上がらないものですね・・・。
そのデザインをなんとかこの週末でやっつけて、あとは延々宛名書きとひとことメッセージ入れですが、まったくヤル気のない夫の分(数はたいしてないけど)までやる羽目になっているのでついつい夫に対して風当たりがきつくなってしまいます。

ともあれ、なんとか年内に年賀状発送をこなして、気持ちだけ大掃除をして、新年を迎えたいものです。
去年は大雪で帰省できなかった実家にも、今年は無事帰られますように。

そしてみなさんのお正月があたたかいものでありますように。

2011/12/13

『息もできない』

2008年/韓国
監督/製作/脚本/出演:ヤン・イクチュン

韓国映画らしい暴力描写(私の偏見ですが)がけっこうありますが、どこかしらユーモアを感じさせる部分もあって、この監督・脚本から主演までやってのけたヤン・イクチュンという人は今後要チェックだと思います。
顔もけっこう好きな感じ。

借金取り立て屋のヤクザと女子高生という組み合わせがなかなかおもしろいと思ったのですが、2人はそれぞれ孤独な存在でありながらなんとなくウマがあってちょっと変わった交流が始まるのです。そして『二人でいるときだけ、泣けた』。
それぞれ荒んだ家庭環境にあって辛い現状と悲惨な結末があるのですが、周囲の人が意外にいい人ぞろいなのがちょっと違和感ありましたけどー。
それでも、安易なハッピーエンドにしてくれなくってよかったと思います。

ともかく、K-POPや韓流ドラマのような明るい面だけでなく、韓国の暗い部分を表現したこういう映画も韓流ファンの人に観ていただきたいですね。

2011/12/09

『グッバイ、レーニン!』

2003年/ドイツ
監督/脚本:ヴォルフガング・ベッカー

監督さんも俳優さんも知った人はいないけど、数年前にどこかで紹介されていてちょっと気になったままだった作品を観ました。

東ベルリンに住む母子3人。熱心な社会主義信望者である母親が心臓発作で倒れて昏睡状態中にベルリンの壁が崩壊、そして東西統一で一気に資本主義が生活になだれ込んできます。
やがて目覚めた母親がショックを受けないよう、息子のアレックスは悪戦苦闘しながら以前のままの生活をつくり出すのですが・・・。

ベルリンの壁崩壊後ちょうど10年たった頃、私はベルリンに行きました。
東側の地区には廃墟のようになった建物もあったり社会主義時代の雰囲気を残しているようにも思えましたが、人々の生活はすっかり西側のものに馴染んでいるように見えました。
ベルリンは当時ちょうど建設ラッシュで、街全体が工事現場のようで活気がありました。
ベルリンの壁もすっかり観光名所のようで、冷戦時代の哀しい面影もなく、壁崩壊時の興奮もなく、ただそこにありました。
私にはそう見えていましたが、そこに住む当事者たちは本当にすっかり馴染んでいたのでしょうか。
この映画を観て、まずそう思いました。
壁崩壊直後は同じドイツ人同士が当たり前のように行き来でき共に暮らせる喜びに沸いたと思います。
そしてそれまでのお互いの生活の違いに、特に東側の人は驚きつつも、すぐに資本主義の世界を取りこんでいったと思います。
でも、そうはいっても40年以上の断絶はやっぱりなかなか簡単に取り戻せなかったり、東西統一前を懐かしむ人も少なくなかったかもしれません。

映画ではアレックスのがんばりがおかしくも切なくも描かれていて、観終わってほっこりしているのに気付きました。


これっていつか朝鮮半島が南北統一されたときにも起こりうることですよね~。

2011/12/02

『運命じゃない人』

2004年/日本
監督/脚本:内田けんじ

タイトルに見覚えがあったのと、主演俳優の中村靖日(名前なんて読むんだろう)さんはときどきTVドラマでも見かける人だったくらいしか情報がない中で、ちょっとおもしろそうと思って観てみました。
そしたら、いい意味で予想を裏切る展開でおもしろかったです。

お人よしの冴えないサラリーマンを中心に起こったある晩の出来事。
周囲の登場人物は、親友の私立探偵、同棲を解消して行くところのない女、詐欺師の女、やくざの兄貴、と主人公に反してひと癖ありそうでいて憎めないキャラクターばかりで話は進んでいくのですが、その展開のしかたが・・・。

観てのお楽しみです。

2011/11/16

『ヴェラ・ドレイク』

2004年/イギリス・フランス・ニュージーランド
監督/脚本 : マイク・リー

これもまた重い映画です。
1950年代のイギリスの労働者階級の家庭の主婦を主人公に、穏やかに静かに話が進みます。
この主人公ヴェラが本当に善人なんです。
その生活を丁寧に描いて、観ている私たちもヴェラのことが好きになっていくのに、事件が起きてその慎ましく幸せな生活が途絶えてしまいます。
それはヴェラが善意から行っていた望まぬ妊娠で「困っている娘さんたち」の堕胎の手助けが、当時違法だったためです。
長年行ってきた堕胎の処置が明るみに出てヴェラは罪に問われるわけですが、そもそも妊娠させた男たちは何も咎められず、その矛盾を思ってか、逮捕に来た警察官たちもとても紳士的で切なくなりました。
結局、法の裁きでヴェラは有罪となりますが、家族たちのそれぞれの反応も深い余韻を残しました。
重いけれど、ただ辛いだけの物語ではありません。

2011/11/14

『この自由な世界で』

2007年/イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督 : ケン・ローチ

タイトルとはうらはらに重く、救いのない物語です。
『自由』とは何か、弱い立場の者がさらに弱い者から搾取することもまた『自由』なのだと、この主人公のシングルマザーは自身に言い聞かせながら人間として堕ちていくのです。

彼女は本来冷酷無比な人物ではなく、自分と息子の生活をなんとかするため、そのための行動力を持ち合わせていたがため、どんどん深みにはまっていくのです。
イギリス社会の労働者階級や不法移民の問題をベースに、彼女の行動が圧倒的なリアリティをもって描かれていて、背筋が寒くなりました。

日本では多少状況は違いますが、昨今の経済状況で就職難、派遣切り、生活保護費の増加など暗い話題にはこと欠きません。
そこでは同じように弱者を食い物にした経済活動も後を絶ちません。
違法なやり方は論外ですが、うわべでは人を助けるような顔をしてうまい汁を吸っている、なんてこと『自由な世界』だから許される話ではないのに。

映画のラストでは、彼女はまだその仕事を続けています。
そして、この先ずっと彼女が自由でいられるかどうかわからないまま、映画は終わりました。

2011/11/12

『オール・アバウト・マイ・マザー』

1998年/スペイン
監督 : ペドロ・アルモドバル

ほとんどの登場人物が性別を問わず女として生きている、というちょっと変わった設定のストーリーです。
決してハッピーな物語ではないのですが、その「彼女たち」は物哀しくも滑稽で、愚かだけども逞しく、とても愛すべき人物として描かれています。

うまく説明できませんが、これはもちろんハリウッド映画ではなく、フランス映画にもない、まさにスペイン的な作品だと思います。
そして、若いペネロペ・クルスが美しい。

タイトル中の『マザー』はすべての女性に捧げる言葉なんじゃないかなという気がします。

2011/11/11

『マルホランド・ドライブ』

2001年/アメリカ
監督/脚本 : デイヴィッド・リンチ

正直、もう一度観ないと何も語れないです。

事故に遭って記憶をなくした美しい女が、たまたま知り合った女の助けを借りながら謎を解こうとしていく話ですが・・・。
さすがデイヴィッド・リンチ、一筋縄ではいかないストーリーで、私自身が迷宮に迷い込んでしまいました。
観終わってもなお釈然とせず、いろんな人のレビューを読んでやっと「そうだったのか」とわかったような気になっただけです。

人の嫉妬や羨望、妬み、愛憎から生まれる捻じれた世界が描かれています。

2011/11/10

『ブリキの太鼓』

1979年/西ドイツ・フランス・ポーランド
監督 : フォルカー・シュレンドルフ

言わずと知れた名作(と私は思ってる)です。
10年以上前に観て強烈な印象を受け、それ以来2度目の観賞です。

3歳で自ら成長を止めてしまった少年を主人公に、周囲の大人たちの醜さや第二次世界大戦中のポーランドの辛い状況を描いています。
時にグロテスクな描写に嫌悪感を抱く場合もあるかもしれません。

この主人公を演じたダーヴィッド・ベンネントがすごい!
「3歳で成長を止めた」とはいえ6歳くらいに見えたのですが、実は彼は当時12歳だったとか。
両親の離婚に際して彼自身成長を自ら止めたという話もあります。
その彼の表情がもうまったく子供らしくなく、恐ろしい目つきで神がかり的な演技をするのです。
ですが、その後彼はほとんど役者として活躍していないようなのです。
この映画に出演したことでかえってそうなってしまったのでしょうか。

原作者はギュンター・グラスというノーベル文学賞を受賞したポーランド生まれのドイツの作家です。
数年前に、若いころナチスの親衛隊に所属していたことを告白して大きな波紋を呼びました。その時代を生き延びるためにそうしたのか、実際ナチスに心酔していたのかはわかりませんが、その隠された事実がこの作品にもつながっているように思います。

この映画は万人向けではないと思いますが、観終わってなんとも言えない深い余韻を残します。

2011/11/09

『愛のむきだし』

2008年/日本 
監督/脚本 : 園子温

最近お気に入りの満島ひかりが主演女優ということで観てみました。
約4時間の大作なのですが、途中で集中力が途切れることもなく一気にラストまでいきました。
同じく主演の西島隆弘はたしかジャンルはアイドルの人でノーマークでしたが、意外と素でいい味だったと思います。
内容的にはR-15指定だしかなりカルト色も強いように思いますが、ハマればすごく楽しめると思います。私もこういうの嫌いじゃない、むしろ好きな感じです。
主演の2人以外の出演の方々も本当にいいお仕事されてます。

2011/11/04

もう11月、だけど

あっという間に今年も残すところ2か月を切りました
でも、11月に入ったというのにこのところ数日は最高気温が25℃以上つまり夏日ですよね。
11月のテーマ曲といえば『北風小僧の寒太郎』じゃないですか。
たしか木枯らし1号はもう吹いたと思うのですが、こんなにポカポカじゃ寒太郎も出る幕なしですよね。

もうすぐ東日本大震災から8カ月になろうとしています。1年の3分の2が過ぎたんだなぁ。
私が受講しているMOKスクールでは被災地支援活動のひとつとしてバザーをすることになりました。
建築関係者が参加しているスクールらしく建築関連のものを提供しようということで、私も不要のカウンター材や建具などをエントリーします。
これでうちも少しすっきりできればという作戦ですが、ほかの方の提供品を買っちゃう危険ももちろん大!
それでも、こうやってわずかでも支援の足しになれば本当に嬉しいことです。

2011/10/18

ZIPANGU展とヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展~映画とその周辺~

もう10日ほど前になってしまいますが、京都で展覧会をハシゴしてきました。

ひとつめは、ZIPANGU展
日本の若手作家の現代アートが盛りだくさんな企画でした。
あまり期待せずに行ったのがかえってよかった!
時々お見かけする作家さんもありましたが、今回初めての作家さんもたくさんあって、しかも自分的にはかなり好みな感じでした。
それというのも、出品作品の中で、高橋コレクション所蔵のものがかなりあったからだと思います。
高橋コレクションは現代美術コレクター・精神科医の高橋龍太郎氏のコレクションですが、去年の初め『ネオテニー・ジャパン展』として巡回したのを観て、そのときから好きな領域がかぶっているのを感じていたのです。
特に気になったのが、、近藤聡乃さんという方のアニメーション
今後も見続けていきたいと思いました。
もう1人、棚田康司さんの木彫の人物像も忘れられません。
京都高島屋という場所柄と、『ジパング展』というタイトルと日本画ぽい屏風絵のチラシに勘違いした風の年配の方がけっこういらっしゃったのがご愛嬌かな。
たまには現代アートもいいでしょ、と声をかけたくなりました。
残念ながら会期はもう終わってしまいましたが、久々に収穫大な展覧会でした。

そのあと、、ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展~映画とその周辺~へ。
これは7月にあった展覧会の第2部となります。
前回と同じく、展示方法がなんとかならないかなぁと作品に集中できないまま観てまわりました。
前回はかなりじっくり観たのと、今回はZIPANGU展を観たあとだったせいもあって、ちょっとおなかいっぱいになってしまいました。

もう展覧会をハシゴできるほどの吸収力がなくなってしまったようです。
でも、お天気もよく京都の街をちょっと歩いて、いい秋のお出かけとなりました。

帰り道、パティスリー オ・グルニエ・ドールというお店でケーキをテイクアウト、錦市場で蛸の姿煮を買い食いして、満足の帰宅でした。

2011/10/11

秋の蚊

ここ最近気候がいいので事務所の入口のドアを開け放しています。
空気が爽やかだし、前の公園からか金木犀の香りもかすかにしてきます。

がしかし、その公園が災いしてか蚊がすごいのです。
入口に網戸はもちろんなく、蚊も入り放題で私を攻撃してきます。
しかも、夏の蚊と違って飛び方がすごくイレギュラーな感じです。
なのでなかなか仕留められず、空中をパンパン空打ちしながら我慢できるところまで耐えています。

秋にもこんなに蚊っていましたっけ。
夕方になってどんどん増えてきたような気がするので耐えきれず今ドアを閉めました。
あちこち刺されてかゆいです~。

2011/09/16

龍安寺

京都の立命館大学・衣笠キャンパスに用事があったので、せっかくだからすぐ近くの龍安寺にも行ってきました。

実は龍安寺にはこれが初めてなのか、前にも行ったことがあるか、記憶が定かではありません。
あまりにも有名なので行った気になってるのかもしれませんが、自分の記憶力のなさにびっくりします。

それはさておき、台風直撃という天気予報の日にも観光客はけっこうたくさん。
幸い、天気予報にもかかわらずたいした悪天候にはならず、ちょっとしたお散歩になりました。
そして、石庭へ。


庭の側面(写真では奥正面)の塀の上端の傾きが気になってしょうがありませんでした。


こう見ると、庭に奥行が感じられるようわざとそうしてるのかな、という気もしてきます。


正面には桜と紅葉の木があり、その季節はとてもきれいだろうなと思いますが、今回はどちらも時季をはずしてしまって残念。
観光客と一緒に来ているガイドさんの話を聞くともなしに聞いていると、全部で15個ある石は一度に全部目にすることはできないといわれていますが、ここからなら一目で全部見られるという場所がわかっちゃいました。


石庭を過ぎるとこの庭が出てきますが、私はやっぱりこっちの方がほっとするなぁ。

今回は写真も撮ったしブログにも書いたから、ちゃんと行った証拠も残ったし、行ったこと忘れないぞ。

2011/09/07

台風12号

先週末やってきた台風12号は大変な被害をもたらしました。
死者・行方不明者合わせると100人を超えるほどです。
そして、今の段階ではだいぶ減ってきているようですが、孤立集落も多数でした。
被害にあわれた方には心からお見舞い申し上げます。

半年前の東日本大震災もそうですが、日本という小さな国は、常に自然災害と共にあるんだということが強く実感させられます。
だからこそ、自然と対立するんじゃなく共生するという考え方が私たちに沁みついているんでしょうね。
それから、起伏に富んだ地形や四季の移り変わりなどもその自然の賜物であり、自然は私たちを襲いもするし癒しもするということを忘れるわけにはいかないですね。

東日本大震災では間接的に募金や救援物資を送ることなどしかできず、もどかしい思いをしていますが、今回の台風被害は同じ近畿エリアで起きたことであり、直接身体を使ってお手伝いができないものかと考えています。


先日の日曜日は滝畑ダムでBBQを予定してたのですが、もちろん台風で中止でした。
私としてはまだ夏らしいことをし足りない気分で、残暑にも抵抗する気マンマンでしたが、台風が去ってすっかり秋空になっちゃいました。
蝉の声もまったくしなくなって、涼しくなった夜は虫の声がけっこうしてます。

2011/08/19

出雲大社「平成の大遷宮」

お盆休みの帰省を利用して、出雲大社の「平成の大遷宮」見学に行ってきました。
60年に一度の大修造ということで、数年前から準備が始まっている大規模なものです。

今回は本殿の大屋根の檜皮葺き替えのようすを間近に見ることのできる特別拝観で、事前の申し込みや服装の規制など、一般の建築見学とちょっと様子が違います。
私もめったに着ることのないワンピースを用意して行きました。

暑い盛りなので、受付・待合所にはスポットクーラーや冷水器が用意され、初めて見る熱中症対策用のせんべいまでいただきました。
パンフレットや特別拝観証、出雲大社のステッカー(どこに貼る?)ももらって、無料で見せてもらえる上、出雲大社の大国主命は太っ腹やなぁと感心。

大修造を仕切っているのは大手ゼネコンで、本殿を覆う素屋根(工事用の巨大な仮設の囲い)自体がとても立派なものです。


奥に見える三角屋根の白い建物が本殿の素屋根です。

見学したのはちょうど日曜日だったので、現場はもちろんお休みで作業の様子は見られなかったのですが、掃除や片付けが行き届いてさすがという感じです。
(そんなところに目がいくのは、元現場監督の性ですね)

残念ながら素屋根内部は撮影禁止だったので写真がありませんが、大屋根部分の檜皮は既に葺き終えられていて、その見事さに本当に恐れ入りました。
出雲大社では通常よりも長い檜皮が使われていて、前回これを葺いたのは60年前、ということは今回これを葺く職人さんは初めて手がける仕事になるわけで、師匠もなく教えてくれるのは古い檜皮自身ということになるのです。
それにしても、軒先で最大90cmの厚みになるという檜皮が層になって微妙なカーブを描いて、とてもきれいです。
屋根下地の模型も展示されていましたが、一般的な屋根下地に加えて3重の野地板が重ねてあったり、防水上念入りな施工がされているのがわかりました。

見学を終えて外に出るとお土産がもらえます。


解体された以前の檜皮の一部ですが、ちょっと嬉しいですネ。

2011/08/10

世界報道写真展2011

最近なんか展覧会づいてるなぁ・・・。
いつもはこんなことないんです。たまたま気になるのが続いてるのでいそがしいです。

今回は大阪・梅田のハービスOSAKAで開かれている世界報道写真展2011です。
この後、京都、滋賀と巡回していくのでお近くの方はいかがでしょうか。

私は毎年開かれるこの写真展にほとんど毎年行っています。
前の年に起こった世界のいろいろなできごとをあらためて振り返ることができ、写真家の技術もさることながら、肉薄したその視点にいつも驚かされるのです。
それにしても、ほんの1年前のことがずいぶん前のことのように感じられたり、もうすっかり忘れてしまっていたりするくらい、日々いろんなことが起こっていますね。
私の小さなメモリー容量は言い訳になりませんが、それぞれにもっと目を向けていれば状況はちょっと変わるかもしれません。

今回は3月に起きた東日本大震災の写真もスライドショーや展示で観ることができました。
これはまだ半年も経っていない出来事であり、いまだ現在形のことなのに、すでにちょっと遠くに感じていた自分自身がとても情けなく思いました。
まだまだこれからですもんね!

2011/08/09

堂島ビエンナーレ2011

この堂島ビエンナーレ2011のチラシを初めて手にしたとき、なんかオサレっぽいしそうそうたる(特にベテランの)メンバーが参加してるけど、何をしようとしてるのか伝わってこずそのままになってしまいそうでした。
それが、新聞記事で紹介されていたこのビエンナーレの作品のひとつである安部典子さんの作品を見て、俄然観に行く気になっちゃいました。3.11からの新聞を積み重ね、1枚1枚が地層であるかのようにして大地が削り取られた痕の断層を表現したような作品です。
私も震災後しばらくの間の新聞を残していますが、このような作品ができるとは思いもつきませんでした。

仕事帰りに行ったので1時間ほどしか観る時間がなかったのが本当に残念!
期待以上の展覧会でした。

とはいえ、チラシを見て感じた印象そのままに、会場の展示方法もカッコつけててわかりにくい~。

この展覧会の企画はもちろんその前からのものだっただろうけど、3.11を経てそれぞれの作品は大きく変わったのではないでしょうか。
東日本大震災を真正面から捉えた作品もいくつかありました。

その中で私が個人的に気に入ったのは、インドのアニッシュ・カプーアという人の作品、建築模型のパーツを用いながらあり得ない空間を表現してどこかへ連れ去られそうな感じがします。
それから、チームラボ+柳原照弘のアニメーションのジオラマ、100年間の海面上昇のようすを日本画タッチのアニメで描いて、絵柄はまんが日本昔話のような懐かしい感じなのに切ないような気がして目が離せなくなりました。

2011/08/03

広島平和記念公園

言わずと知れた広島平和記念公園です。

ホテルから徒歩10分ということなので歩いて行きました。

この平和大橋の欄干のデザインは彫刻家のイサム・ノグチによります。

川の向こうに平和記念資料館の建物が見えます。

原爆ドームも向こうに見えます。

平和記念資料館です。

日曜日の朝の8時過ぎですが、観光客らしき人や散歩する人、1週間後の原爆記念日の式典準備でテント設営する人など、けっこういらっしゃいました。



広島平和記念資料館および平和記念公園は丹下健三計画研究室の設計で、こちらに詳しく紹介されています。
DOCOMOMO Japanにも選ばれている傑作で、建築的にもそこに込められた思いについても、永く後世に残すべきものだと思います。

平和記念資料館と慰霊碑、原爆ドームが一直線に並び、資料館下のピロティに立つと何か思わざるを得ません。
ここは実際に訪れてみるのがいちばんだと思います。

型枠跡がきれいな打ち放しコンクリートです。思った以上に白っぽく違和感を感じましたが、メンテナンスの賜物なのでしょうか。
階段の造詣がほんと、かっこいいです。
柱の形状もなんとも言えません。

この後、資料館の中に入りました。
私は小学6年の時に修学旅行で広島を訪れたときに見学して以来でしたが、展示はわかりやすく何としてもこの惨劇の事実を伝えようとする思いを感じました。
それに朝8:30開館で大人の入場料が50円とは、どれだけウェルカムなんだとちょっと感動しちゃいました。
本当に、多くの人に来て観てもらって、同じ過ちを繰り返さないよう心に刻んでほしいという気持ちを強く感じます。

広島平和記念資料館

2011/08/02

マツダスタジアム

広島へ行ったついでに、広島VS中日戦を観戦してきました。

球場近くのローソンはこのとおりカープ仕様でテンションが上がってきます。

私は日頃は自称阪神タイガースファンですが、もともと島根県出身なので子供のころは広島カープを応援していて、特に今回はカープファンの父と一緒だったのでもちろんカープの応援です。

JR広島駅から球場に向かうと道はそのまま巨大なスロープにつながり3塁側の入場口にたどり着きます。
球場はこのようにいびつな形をしています。
仙田満さんの環境デザイン研究所が設計していますが、随所に工夫がされ客席のバリエーションも多彩で楽しく、かといってデザインに凝り過ぎることなく、さらにコストパフォーマンスにも優れた建築であることがこちらに詳しく紹介されています。

JRで岡山方面から来ると、広島駅到着直前に車内から球場が見えるのもいいですね。
バーベキュー席。
なんとバーベキューしながら野球観戦。夏休みの思い出に大貢献できちゃいます。
ごろ寝席。
ファミリーにもカップルにも。家でテレビの前にいる感覚?
これはファミリー席でしょうか。
パーティー席なるものには、ちゃんとホールスタッフもついて飲食フリーのようです。
車いす用の席もたくさん用意されていました。
砂かぶり席。
父はここで観たことがありますが、すごい臨場感と引きかえに野球の全体像はわからないそうです。ま、当然か・・・。
7回カープの攻撃前にみんなが風船をスタンバイ。スタンドが真っ赤です。
タイガースの場合には風船の色がいろいろあってカラフルですが、カープはとにかく赤!きれいでした。

この試合は3対0で広島の勝利。主力選手の故障などで思わしくない成績の今シーズンですが、この晩は気持ちよく眠れました。


蛇足ですが、マツダスタジアムのフード関係はすごく充実してると思いました。
私たちは夕食を済ませてから行ったので今回お世話になることはありませんでしたが、球場を1周できるコンコース(通路)にはいろんなお店があって目移りします。
実際試合中にもかかわらずコンコースを大勢の人がうろうろしていて、「何しに来たん!?」と突っ込みたくなりました。
ただ、生ビールが700円とはちょっと高いのでは。気軽に2杯、3杯と飲めないなぁ。
少し多めの利益が貧乏球団である広島カープの懐に入るというのであれば、まあしょうがないかと納得しますがどうなんでしょう。

2011/08/01

オノ・ヨーコ展 『希望の路』

広島に行く用事があったので、ちょうど始まった広島市現代美術館(設計:黒川紀章)の特別展、第8回ヒロシマ賞受賞記念 オノ・ヨーコ展『希望の路』を観に行きました。

初日の午前中にもかかわらず、そしてちょっと辺鄙な場所にもかかわらず、結構お客さんがいました。
美術館の入り口前の広場にさっそく作品のひとつ『wish tree』があります。
私たちそれぞれが願い事を書いて木に吊るします。七夕の笹や初詣のおみくじみたい。
もちろん私も願かけしました。

作品のほとんどはインスタレーションで、ヒロシマというこの地(そしてナガサキ)への、そして先の東日本大震災を経験した人々への鎮魂を表したものでした。
足元に散らばった真っ白な鶴の折り紙はなんと総数6万羽、踏みそうになって気をつけて歩いていたらスタッフの方が「踏んでしまっても構わない」と。
それは、様々な暴力や戦争、災害などの悲劇の犠牲者たちの上に今の私たちがあるということを示している、ということでした。
そうなんだ、とそのことにあらためて気づかされて情けないけど、その人たちのおかげでと感謝するのは違う気がするし、ただ鎮魂を祈り、過ちは繰り返さないと誓うしかできないでしょうね。

最後に『My mommy is beautiful』という作品があって、それぞれがお母さんへの思いを書いて壁に貼っていきます。
私は自分の母親にはちゃんと向かって言ったことはないけど、一言書いて貼ってきました。

ヒロシマという場所のせいなのか、ずっと涙腺がゆるゆるしながら観てまわりました。

第8回ヒロシマ賞受賞記念 オノ・ヨーコ展『希望の路』

2011/07/28

ステンドグラスの扉

マンションでのちょっとしたリフォームです。

クラシックなインテリアがお好きな方のマンションのお部屋で、家具などもヨーロピアンテイストで揃えられていましたが、玄関を入って正面のリビングの入り口の親子扉のデザインがこのようなシンプルなもので、気に入っておられませんでした。

そこで、ステンドグラス専門店に依頼して思い通りのデザインでこちらのお宅の扉のサイズに合ったものを制作してもらいました。
建具の枠に間違いなくぴったり合わせるために、建具屋さんが原寸大の型紙を作ってステンドグラス屋さんに送ってくれます。
工房で制作後、建具に入れる前に写真を送ってもらってチェック!

そうして、建具にステンドグラスを入れて吊り込みます。
建具も新たに製作しましたが、隣接する扉と色を合わせて塗装したので、全く違和感ありません。

今回のように、枠を取り替えることなく扉だけの新調ですと比較的簡単な工事で済みます。
イメージ通りの仕上がりに、お客様にはとても喜んでいただけました。

2011/07/26

ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展

花傘巡行もそうですが、今回京都に行った目的は京都文化博物館で開催されている「ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展 the works for Japan」に行くためでした。

一言で説明すると、シュヴァンクマイエル夫妻はチェコのシュールレアリズムの作家です。奥さんのエヴァの方は既に亡くなりましたが、ヤンは80歳近くなった今も盛んに創作しています。
今回の展覧会はヤンの新作映画公開とヤン作の下絵をもとにした日本の浮世絵彫師・摺師による版画制作に併せたもののようでした。

私が初めてシュヴァンクマイエル作品に出合ったのは、数年前に東欧・中欧旅行に出かける前に予習として観た映画『オテサーネク』です。
その作風を説明するのは難しいのですが、チェコ伝統の人形劇もふまえつつ(?)アニメーションと実写が入り混じって不思議な世界を造っています。そしてそのグロテスクさや毒に拒否感を持つ方もいると思うので、単にお勧めはできませんが私はかなりハマってしまいました。

その後『不思議の国のアリス』のDVDも入手しましたが、独特の世界観で、ディズニーの『不思議の国のアリス』などとは全く違った不思議の国を見ることができます。


今回の展覧会はシュヴァンクマイエルの平面作品(特にコラージュが多かった)を中心に展示してありました。
作品はもちろんいいんですが、私としては展示方法が残念な感じ。
京都文化博物館・別館は旧日本銀行京都支店でとても素敵な建物なんですが、展示ブースというか間仕切のパネルや照明がなんだか安っぽく、作品の説明も足らないように感じました。

それでも、それぞれの作品をじっくり見て最後までくるとショップがあり、かなり充実の品ぞろえでテンション上がります!
特に、ヤン作の版画の蔵書票が4枚並べてあり、なんと3800円!
私は愚かにも4枚セットでこの値段かと鼻息荒くなってしまいましたがそんなはずはなく、もちろん1枚の値段でした・・・。
それでも、(マニアックではありますが)世界的な作家の版画がこれだけで買えるなんて、と1枚だけ購入しました。

これに合うフレームをまた買わなくっちゃ。


この後、博物館の近くにあるイノダコーヒー本店に初めて行き、いい雰囲気の、正に「喫茶店」気分を味わいながらお昼ご飯を済ませました。

ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展 the works for Japan
イノダコーヒー本店

2011/07/25

7月24日 祇園祭・花傘巡行

京都に行ったついでに、祇園祭の花傘巡行を見ました。

祇園祭は1週間前の山鉾巡行がクライマックスで、それに比べるとこの花傘巡行は観客も本当に少ないのではないのでしょうか。
実は私、山鉾巡行はまだ見たことがなくて、先週行けなかったリベンジも多少ありの今回の花傘巡行ですが。

以前は山鉾巡行は7月17日の『先の祭り』と24日の『後の祭り』に分かれていたそうですが、昭和の時代に諸事情により1日にまとめられたみたいです。
『後の祭り』って、あの「やっちゃった~」てなときに使う「後の祭り」の語源らしいです!
今また山鉾巡行を2日に分けてやろうという話が出てきているそうですが、後の祭りがなくなっちゃった24日のために花傘巡行を行うようになったみたいですね。

四条河原町の交差点を八坂神社の方向から行列がやってきます。
こんな都会のど真ん中を時代がかった装束の行列が歩くって、京都以外ではなかなかないですよね。
花傘巡行は女性や子供が中心の華やかなものということですが、なんせ私は山鉾巡行の方をしらないので比べようがありません・・・。






とにかく炎天下での行列ですので衣装をつけて歩いているみなさんは大変だったと思いますが、小休憩をとっては配ってもらった氷を口にほおばったり、沿道には飲み物が用意されていたりで、あまりしゃちほこばらずリラックスムードでした。

2011/07/18

街の材木店・銘木店で「木」を見る

まずは・・・
今朝の女子ワールドカップ決勝戦を観ましたか!?
私は3:30に起きてフルで観ました!
結果はご存知のとおりなでしこジャパンの優勝!!
夫はつき合ってくれず1人での観戦でしたので大騒ぎもできず、何度無言でガッツポーズをしたことか。
本当に素晴らしい出来事でした!
私は特にキャプテンの澤選手がお気に入りです。あの顔が好きですね。それから穂希(ほまれ)という名前も素敵です。年下だけど、なんだか姐さんな感じがいいです。
すみません、まだ興奮気味なもので。

先日は炎天下の中、参加している勉強会「すまいをトーク」の見学会で、大阪市内の材木店・銘木店などを巡る見学会に行きました。

まずは「長谷信木材」さん。明治32年に大阪・長堀で創業された古くからの材木問屋さんです。

周辺は川沿いにマンションが建ち並んでいますが、かつては各地からの木材が川から荷揚げされ、材木屋が何軒も並んでいたそうです。現在は「長谷信」さんを含め界隈の材木屋は3軒ほどになってしまったそうです。

材料置場を見せてもらいました。
「長谷信」さんでは、昔から湿度調整のために材料置場の土間に土や砂利を敷くことにこだわっておられるそうです。ただし、シロアリ対策や細かい木くずの処理など手はかかるとのことです。

次に「長堀銘木」さんにお邪魔しました。昭和2年より営業されています。
こちらではたくさんのお宝的な板材がストックされています。
樹種も多岐にわたり、私たちは種類当てクイズをさせていただきましたが、なかなか難しかったです。私は半分も当たらなかったです・・・。

それから少しだけ歩いて大正橋のたもとに立つ「津波記念碑」へ。
今でも花が供えられています。
1854年に起きた大地震と津波について書かれています。当時の人がこのときの被害とそこから学んだ心得を後世の人に伝えるため遺されたものですが、先日の東日本大震災の被災地にも同様の記念碑が各地にあることを思い出しました。
「災害は忘れた頃にやってくる」とはよく言ったもので、昔の人はなんとかそれを私たちに忘れさせないよう心を配ってくれていたのだと思いました。

次は創業100年、栗材・名栗(なぐり)加工の専門店「橘商店」へ行きました。
名栗(なぐり)とは、角材や板材にノミ等で独特の削り痕を残す日本古来の加工技術です。
なぐり用のノミです。右用と左用があります。
材料を固定して、木の目に逆らって(木の目に直交するように)職人さんから見て手前から奥に向けて削ります。
私はそれまで木の目に沿って削っているのかと思っていましたが、京都の方では違う道具を使ってそのように削っているとのことです。
場所が違えば、道具も方法も違うのですね。


最後に旧居留地へ。旧居留地と言っても神戸ではありません。
大阪の地下鉄阿波座駅から歩いて行けるところに旧居留地があったとは知りませんでした。とはいえ、洋館などが建ち並んでいるわけではありません。

重要文化財に指定されている古い教会がありましたが、カトリックやプロテスタントではなく、珍しいことにイギリス国教会だそうです。
煉瓦造りのため、阪神大震災ではかなりの被害だったそうです。
立派なパイプオルガンがありました。
屋根は木造でスレート葺きです。
耐震補強でアーチの下端にスチールのプレートが入っています。
教会の正面です。煉瓦の古びた感じが歴史を感じますね。

教会の向かいにあった建物。
個人的には大好きな雰囲気です。
昭和初期のものと思われますが、まだまだ現役のようです。
こんな建物に事務所を構えられたらなぁと憧れます。

2011/07/14

『建築家 白井晟一 精神と空間』 展

暑中お見舞い申し上げます。

例年より2週間も早かった梅雨明けのおかげ?で、連日真夏の様相です。
が、今日も朝から事務所前の公園ではゲートボールに興じる歓声で大盛り上がりでした。
みなさん、お元気・・・。


それはさておき、京都工芸繊維大学・美術工芸資料館で8月11日(月)まで開催されている『建築家 白井晟一 精神と空間』展に行ってきました。
日・祝日が休館日なので平日行ってきましたが、ほぼ貸し切り状態でじっくり観ることができました。

恥ずかしながら、私はこの『白井晟一』という建築家をほとんど知りませんでした。東京にあるちょっとかっこいい『NOAビル』を設計した人、というくらい。
ですが先日、私の大学のかなり上の先輩にあたる人から「学生時代の課題で、白井晟一の『呉羽の舎』をコピーしたことは今でも良かったと思う」と聞き、「私も何か図面をコピーしたけど、何をコピーしたのか全然覚えてないぞ」と思い、それだけ学生に印象を残した白井晟一にあらためて興味を持ったところにこの展覧会を知ったのでした。

初めて行く京都工芸繊維大学は、はるばる~と感じました。
京都市営地下鉄烏丸線・松ヶ崎駅から徒歩で10分ほど。

展示は、設計原図やスケッチ、写真、模型ほか、とても見応えがあります。
私には白井晟一の思想や哲学にまで思いが及ばず、本当に情けなく感じましたが、彼の手描きの図面にはとにかく感じ入りました。
線が本当に美しいのです。それから文字も。そしてディテールの表現が素晴らしい。
「大体こんな感じで」というのはあり得ません。「こうするのだ」という強い意志がはっきり現れて、確実にそれを実現するための図面です。
じっと見て見飽きず、ずっと眺めていたくなるような、手許に置いて時々私の頭をガツンと殴ってほしいような気がしました。
実際、自分のいい加減な部分を叱咤されたような気分です。

最近の図面は便利なCADを使うことがほとんどですが、CADでは誰が描いてももちろん同じ線にしかなりませんよね。どっちがいいとかいうことはないのですが、手描きの図面にはやっぱり思いが見えるような気がしました。

この展覧会はあと1カ月弱続きますが、私としては本当にお勧めです!


建築家 白井晟一 精神と空間』 展

同時開催で『ベルギー木の匠の技』展もやってます。

2011/07/11

ポイントだらけのマンションリフォーム

若い夫婦が中古物件を購入、ほぼ全面リフォームしました。

予算的に新築物件の購入が難しい場合、あるいは自分の思い通りの間取・内装の部屋を手に入れたい場合など、中古物件はお勧めです。
最近は『リノベーション物件』という言葉もよく聞きますが、中古物件のイメージもかなり向上しているように思います。

築25年くらい、約62㎡の分譲マンションです。
工事前はこんな様子でした。

工事中のようす









プランを考えていく中で、デザイン面でいろいろ提案させていただきましたが、どれも大変気に入っていただいて、通常なら1~2つ採用されるところをすべて実行することになり、ポイントだらけのリフォームとなりました。

キッチンの背面を納戸としたのを利用して、シンク前の壁にへこみを設けてオープン棚としました。レンジなどの家電を置くこともでき、とても便利です。
納戸側からみると、棚の一部がふさがれているように見えます。
妻室の壁を1面だけ板張りとし、マンションによくある壁際の梁を隠すように梁の板を張り延ばして、その段差に間接照明を仕込みました。
廊下天井の片側を間接照明としました。正面のリビング入口の扉のガラスはこだわってレトロなものを探し出しました。
LDKと夫室・妻室を仕切る4枚引戸はすべて引き込め、夫室はリビングの延長として使えます。欄間が透明ガラスなので一体感があります。
夫室の壁は1面だけ塗装仕上げとし、そこに宙に浮いた棚を造り付けました。










ご夫婦には工事中も何度か現場に足を運んでいただいて確認しながら工事を進め、完成時にはご納得の仕上がりでオープンハウスも開催させていただきました。

リフォームは新築に比べると完成時の姿がイメージしやすく、以前より良くなったのが実感できるのでとてもやりがいがあります。
また、マンションは木造住宅などに比べると予想外の構造体の修繕などがほとんどなく、比較的に計画通りに工事が進みます。
とはいえ、実際に工事をするとなると「もっともっと」という気になってしまいがちですね。
もし時間と予算が許すなら、内装をすべて解体して(スケルトン)全面改装できると大満足できること間違いないです!


【仕上】
床:集成材フローリング
壁:ビニールクロス(一部板張り・塗装・タイル)
天井:ビニールクロス(一部格子)
家具・建具:シナ合板