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2011/11/10

『ブリキの太鼓』

1979年/西ドイツ・フランス・ポーランド
監督 : フォルカー・シュレンドルフ

言わずと知れた名作(と私は思ってる)です。
10年以上前に観て強烈な印象を受け、それ以来2度目の観賞です。

3歳で自ら成長を止めてしまった少年を主人公に、周囲の大人たちの醜さや第二次世界大戦中のポーランドの辛い状況を描いています。
時にグロテスクな描写に嫌悪感を抱く場合もあるかもしれません。

この主人公を演じたダーヴィッド・ベンネントがすごい!
「3歳で成長を止めた」とはいえ6歳くらいに見えたのですが、実は彼は当時12歳だったとか。
両親の離婚に際して彼自身成長を自ら止めたという話もあります。
その彼の表情がもうまったく子供らしくなく、恐ろしい目つきで神がかり的な演技をするのです。
ですが、その後彼はほとんど役者として活躍していないようなのです。
この映画に出演したことでかえってそうなってしまったのでしょうか。

原作者はギュンター・グラスというノーベル文学賞を受賞したポーランド生まれのドイツの作家です。
数年前に、若いころナチスの親衛隊に所属していたことを告白して大きな波紋を呼びました。その時代を生き延びるためにそうしたのか、実際ナチスに心酔していたのかはわかりませんが、その隠された事実がこの作品にもつながっているように思います。

この映画は万人向けではないと思いますが、観終わってなんとも言えない深い余韻を残します。

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