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2011/12/09

『グッバイ、レーニン!』

2003年/ドイツ
監督/脚本:ヴォルフガング・ベッカー

監督さんも俳優さんも知った人はいないけど、数年前にどこかで紹介されていてちょっと気になったままだった作品を観ました。

東ベルリンに住む母子3人。熱心な社会主義信望者である母親が心臓発作で倒れて昏睡状態中にベルリンの壁が崩壊、そして東西統一で一気に資本主義が生活になだれ込んできます。
やがて目覚めた母親がショックを受けないよう、息子のアレックスは悪戦苦闘しながら以前のままの生活をつくり出すのですが・・・。

ベルリンの壁崩壊後ちょうど10年たった頃、私はベルリンに行きました。
東側の地区には廃墟のようになった建物もあったり社会主義時代の雰囲気を残しているようにも思えましたが、人々の生活はすっかり西側のものに馴染んでいるように見えました。
ベルリンは当時ちょうど建設ラッシュで、街全体が工事現場のようで活気がありました。
ベルリンの壁もすっかり観光名所のようで、冷戦時代の哀しい面影もなく、壁崩壊時の興奮もなく、ただそこにありました。
私にはそう見えていましたが、そこに住む当事者たちは本当にすっかり馴染んでいたのでしょうか。
この映画を観て、まずそう思いました。
壁崩壊直後は同じドイツ人同士が当たり前のように行き来でき共に暮らせる喜びに沸いたと思います。
そしてそれまでのお互いの生活の違いに、特に東側の人は驚きつつも、すぐに資本主義の世界を取りこんでいったと思います。
でも、そうはいっても40年以上の断絶はやっぱりなかなか簡単に取り戻せなかったり、東西統一前を懐かしむ人も少なくなかったかもしれません。

映画ではアレックスのがんばりがおかしくも切なくも描かれていて、観終わってほっこりしているのに気付きました。


これっていつか朝鮮半島が南北統一されたときにも起こりうることですよね~。

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