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2020/11/03

大阪都構想 住民投票

 2日前に行われたいわゆる大阪都構想の住民投票、当日23時近くになって結果が出ましたね。

その1時間前くらいから特番で開票状況をドキドキしながら見ていました。

5年前の投票同様、賛成と反対が本当に拮抗していて、結果がどっちに転んでもおかしくない状況。

見ていて結果がどっちであってももやもやが残るだろうなぁと嫌な気分でした。

これだけ票が割れるようなこと、住民投票にかけたらあかんのじゃないでしょうか。

多くの人がそうだよねと納得できるようなことを、少数者の意見も汲みとった上でまとめるのがまともなのでは、と思いました。

ふだんはかっこよくてリスペクトしている人が、facebookで自分とは反対の立場の人たちが街頭で金切り声をあげていてたまらん的なことなどを何度も投稿していたけれど、わたしにはその人の方がヒステリックに感じられて辛かった。

それでも、政治的なことを臆さず表明していることは尊重できます。

今回の住民投票で良かったことといえば、賛成派も反対派も大阪市のこれからのことを少なからず考えたってことでしょうね。

2020/10/21

病気とタバコ

 スモーカーの弟が癌に罹ってしまって、母は何度も禁煙するように言ってます。

しつこく言ってると先日弟に「うるさい」と言われたそうで嘆いていましたが、その話を母の弟、わたしの叔父に話して「あんまり言わない方がいい」と言われてました。

かく言う叔父もかつてはヘビースモーカーでしたが、少し前に胃癌で胃を全摘していて手術の前日までタバコを吸っていたそうです。

でも手術後は身体が受け付けず全くタバコを欲しいと思わなくなって、叔父いわく「吸えてるうちは大丈夫ってことだ」って。

なるほど〜。

好きなもの我慢してまで長生きしなくてもいいという考え方もあるし、例えばタバコは副流煙など周りの人に悪影響がなく、アルコールも中毒になるほど飲むのでなければ、わたしも好きなことしてたいなぁ。

ファクトチェック

 いわゆる大阪都構想の住民投票があと10日ほどに迫っています。

当日用事があって投票に行けないので、実はわたしはもう今日期日前投票をしてきたのですが・・・

昨日、たくさん届いている賛成・反対それぞれのチラシやパンフレットを見て、気になることについて問い合わせてみました。

気になることというのは、反対派のチラシにある、大阪市がなくなると市民プールやスポーツセンター、老人福祉センター、子育てプラザなどの公共施設が削減されるというもの。

大阪維新の会のパンフレットでは、公立図書館については『そのまま残ります』と明記されているのに、ほかの公共施設はただ『いままでどおりご利用いただけます』としか書いてないので、削減のことが隠されているのかと電話して聞いてみました。

そうすると「反対派のデマ」と即答されました。

中立であるはずの大阪市の問い合わせ窓口に電話すると、やはり特別区になると公共施設が削減されるというのは違っていて、もともと以前から削減の検討はされていて、それは大阪市が残っても特別区になっても削減されるときは削減されるということでした。

そこで反対派の一つとして共産党に電話して聞くと、都構想が実現すると大阪市の財源が大阪府に移り特別区には十分な財源がなくなって、削減が検討されている公共施設から削減されるという論法でした。

一見大阪市がなくなるとそれらの施設も削減されてしまうと決まってしまっているかのような表現はフェアじゃないように思います。

とはいえ、コロナ禍で十分な説明会が開かれず、投票に行くのを躊躇する人もいるかもしれない中、一度は住民投票で否決されたものを、多額の税金を投じて今やるべきものか、わたしはいろいろ疑ってしまいます。

維新の大阪府長の人気が高いうちにやってしまおう、投票結果に投票率は関係ないから逆に投票率が低い方が賛成派に有利なんじゃないか、などの思惑がありそうな・・・

本当は住民投票よりも今生活に困っている人に手を差し伸べる方が先なんじゃないのかと思うんです。


こんなふうに直接問い合わせて事実確認をしたのは初めてだったけど、チラシを鵜呑みにするんじゃなく、聞いてみるもんだなーと思いました。


2020/08/17

お気に入りのお店

 今年のお盆は家族で帰省するか直前まで悩んだけど、実家にいる高齢&免疫力が落ちている母へのcovid-19感染を懸念して、私1人で帰省してきました。

というわけで、数日後の私の誕生日のためにこの間こどもたちとサプライズを仕込む時間は十分あっただろうと夫に言ってみると「しまった!」という表情。

しかも、誕生日当日は早めに仕事から帰ってくる自信がないと言うので、急遽今日の夕食は私のお気に入りの店で前祝いをすることになりました(予約したの私だし!)。

近所の小さなビストロで、シェフが1人で切り盛りしてる。

夜はいつもおまかせで、1人4000円でスープ、前菜の盛り合わせ、魚料理、肉料理、パンとコーヒーで、もう無理っていうくらいお腹いっぱいになるんです。

もちろんどれも本当に美味しい。

今日は桃のポタージュにパッションフルーツを合わせた前菜の盛り合わせ、鱧のムニエルにビーツのソース、ホロホロ鳥のなんと言ったかボリュームたっぷりのソースがかかった料理で、サービスで無花果のコンポートとシャーベットまでいただき、コーヒーがもうぎりぎりお腹に入ったところで「参りました!」とでも言いたいくらいでした。

大人2人分のコースしか頼んでないのにいつも、こどもたちにジュース、スープ、パンを出してくれて、ありがたい〜(料理はこどもに取り分けても大人が満腹以上)。

シェフ1人のお店だからできるサービスなんでしょうね。

こんないいお店なのに今夜は貸切状態。

新型コロナウィルス のせいなのかどうなのか、お店にとっては辛い状況が続いていると思いますが、なんとか耐えてなくならないでほしい!

あまり人に知られて気軽に行けなくなるのは困るけど、こんないいお店もっと人に知ってほしい。

私的には、同じく近所にあるミシュランに載ったお店よりこっちの方がずっとお気に入りです。

2020/08/04

ミナ ペルホネン/皆川明 展

つづく』と題された皆川明さんのミナ・ペルホネン展。
新型コロナウィルス のため会期が変更され、入場も予約制で制限された中、兵庫県立美術館へ行ってきました。





平日の午前中なのにミナ人気恐るべし。
展覧会会場はある程度制限が保たれていましたが、ショップはごった返してレジも長蛇の列。
ここをもうちょっと制限しなくちゃと思いましたが・・・



ミナ・ペルホネンはわたしにはファッションブランドというよりファブリックのブランドというイメージが強く、それぞれの生地のデザインと製作工程が素晴らしい。




そして、デザイナーの皆川明という人の描く絵がなんとも心を鷲掴みにするのです。
現在、朝日新聞で線描の繊細でユーモラスな皆川さんの挿画が毎週日曜日に見られます。
濃密なファブリックと違ってこれがまたいいんよなぁ。

皆川明さん当人は強いこだわりを持っているはずなのに、押しつけがましいところがなく、描くイラストそのもののような穏やかで飄々とした感じで、それがこれだけのファンをもつ由縁なのかもしれません。


この「青を見分けるのが得意だと思うし好きだ。」という控えめな表現がまた素敵。


このスツールに張られた生地は、擦り切れても裏からのぞく色を楽しめるよう考えられていて、わたしも気に入ったものは綻んでも使い続けることがあり、好みはあるだろうけどこれもひとつの解なのだと思いました。

殺気だったショップでは、物欲よりも速く退散しようとあれこれ迷わずリトグラフのポスターだけゲット♪
フレームを用意できてなくてまだ飾ってないけど、フレームを検索してたまたま見つけたネットフリマでは高く売られててびっくりしました〜。

2020/07/30

母のレシピ

実家の母がもう自分で料理できないくらい弱っている。
はっきりとは覚えていないけれど、ちょうど新型コロナウィルスで緊急事態宣言が出たあたりくらいからだっただろうか。
だから、そうなってからまだ半年やそこらなんだけど、母が作るわたしの夫の好物をわたしが自分で作ってみようと先日レシピを母に尋ねたら、なんと「どうやって作ってたかねぇ」と言う。
え〜、何年も作ってきた料理なのにそんなに簡単に忘れちゃうの!!!
その心許なさにびっくりしてしまった。
お袋の味を全然引き継がずにきてしまって、今からじゃ手遅れなんだろうか。
宅配のお弁当やスーパーのお惣菜では満足できない母に、ときどき手作りのおかずをクール宅急便で送るようになった娘の胸はざわざわしています。

2020/07/03

EVERY LIVES MATTER

大袈裟なタイトルになっちゃったけど、ちょっとモヤモヤしてる話。

昨日、こどもの小学校区で「子供被害情報」として登録してる大阪府警メールが届き、その後学校からも手紙が配布されました。


小学生が東南アジア系外国人にすれ違いざま急に手をあげられてびっくりした、という『被害』!?
その外国人が親しみをもって「Hello!」と手をあげたのか、悪意をもって脅そうと手をあげたのかわからないけど、その小学生もびっくりしただけよね?
驚いてコケてしまって怪我したとかでもないよね。
それなのに、この外国人はまるで不審者扱いで特徴や身なりまで挙げられています。

注:この手紙をうちの小3男子に読んでやると『金色のチェーンネックレスをして』のところで「かっこいいやん」だと。

この外国人がもし東南アジア系でなく欧米人だったらこんな扱いになっただろうか、と思うんです。
近所に専門学校があって、そこでいわゆる東南アジア系の留学生がたくさん学んでいるようで、地域の交通安全教室だったかに集団で参加されているのを見たことがあります。
昨日の外国人がその留学生の1人だという可能性は低いかもしれませんが、隣人であるかもしれないその外国人を、まさか見た目で差別してないかという思いが拭きれません。

今、アメリカそして世界中で『BLACK LIVES MATTER』と黒人差別に対する動きが大きくなっていますが、黒人のみならずどんな人種・国籍に対しても差別はあってはならないのです。
日本人だって欧米の白人社会では差別対象となりうるんだから。

この手紙の件で、学校に意見しようかと鼻息荒くなりそうでしたが、先日もこどもの腹痛で市の教育委員会のいいなりの新型コロナウィルス感染対策ということで余分に2日も学校を休むよう言われて「根拠もないのにこどもの学習権を奪おうとしてないか」と一筆書いたところなので、ややこしい保護者だとさらにマークされそうで、どうしようかモヤモヤ考え中です。

2020/07/02

『そして、バトンは渡された』

瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』


たしか話題の本だったよなぁ、と読んでからわかったのが2019年の本屋大賞受賞作品。
たしかにたしかに、これは誰かに伝えたくなる本だと思いました。

私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。

生みの両親の後、何人もの血の繋がらない親の元でバトンを繋ぐように次々と愛情をもって育まれた少女の物語。
ファンタジーだとわかってはいるけれど、とても温かい気持ちになり最終章では涙が出てしまいました。

私自身、血の繋がらないこどもたちと暮らしている(育てていると言うのはちょっと気が引ける)わけですが、ちゃんと愛情をたっぷり注げているのかというと、将来こどもたちに聞くのがこわいというのが正直なところです。
でも、家族って血縁じゃないんだ、一緒にごはんを食べて喋ってそばにいることなんだ、と言ってもらえたようで、背中を押してくれる本です。

まぁ、家族が変わるたびに苗字が変わらなくていいんじゃない、とか、結婚式で最後の父親から新郎へとバトンが渡されたというところなど、主人公が女の子じゃなかったら成立してたのかな、などのツッコミはありますが、登場人物がほぼ善人だけだというのはフィクションのいいところですね〜。

2020/06/27

夏至で父の日

先週末の日曜日は夏至で父の日で、わたしの父の5回目の命日でした。
奇しくも、5年前父が亡くなった日も夏至で父の日でした。

1周忌と3回忌は法要があったので実家に帰ったのですが、それ以外は去年もただ過ぎただけだったのが、今年は母が全然動けなくなってしまったので帰省してきました。
母もお墓参りもできないのは不本意だと思うので、お花を活けるだけでも慰められるかなぁと、今まで全て母任せで活けたことがなかったお花を買ってきましたが、全然ボリュームが足りなくて貧弱な供花となってしまいました。
これまで見てたつもりでも全然ダメですね。

母の弱り方が急すぎて、いろいろと聞いておかなければならないこと、手遅れにならないようにしなくちゃと思ってるんだけど、親子ってぶつかったりもするし、なかなか難しいなぁ。

2020/06/09

徳島県立近代美術館 『それぞれのながめ』展

今年に入って初めての家族揃っての遠方へのお出かけで徳島へ。
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言解除で、久しぶりの遠出が嬉しい!
そんな気持ちに呼応するかのような快晴の日曜日でした。


それぞれのながめ ―河合美和、児玉靖枝、増田妃早子、渡辺智子
長年にわたってグループ展を続けている女性の作家さん4人による展覧会。
そのうち渡辺智子さんとはかれこれ30年近くお付き合いさせていただいています。

いつもはこぢんまりとしたギャラリーでの展示で、行くと作家さん在廊の場合はいろいろとお喋りしながら楽しく拝見するんですが、今回は美術館の大きなスペースでしんとした中作品と正面から向き合って、という体験になりました。
やっぱり天井が高いのとかなり引いて観られるのは美術館ならでは。
近くから観るのと全然違って見えることがあります。

智子さんの作品はとくに実際に観ないことにはわからないことがあります。
印刷や画面などメディアでは見えないオブリガード(対旋律)のような半透明の描線が、作品に近寄ると地と図が反転するかのように見えてくるのです。

とてもやさしくて繊細、そしてどこか哀しげでもあるような作品に、美術館の用意した観賞シートの「絵画は、時の流れの中で、日常の幸せな時間を永遠のものとして遺し得た。絵描きは、永遠には続かない私たちのいのちの時間に、ときに魔法をかけることができる。」という言葉がすごくしっくりきたのでした。

同時に観た所蔵作品展も良かったですよ。



2020/06/05

stay home その後

(備忘録続き)

6月に入ってこどもたちに日常が戻りつつある。
学校は半日授業で「簡易」ながらも給食が始まり、保育園も毎日通えるようになった。
わたしは相変わらず週1度事務所に出る以外は在宅ワークで大人とまともな会話をする時間はほとんどないんだけど、ストレスは圧倒的に減った。

ということは、あのストレスは友人や仕事、世間とつながれないから起こるものではなく、こどもたちとずっと一緒にいることで宿題や遊びなどこどもの相手をしなければならならずこどもの動きに振り回される、昼食作り・掃除・買い出し(思ってもみなかったけど、家での食事が増えて食材がどんどん減っていく)などの家事が増える、仕事が全然できない、など全てが自分の思いどおりにならないのと1人になる時間がほとんどないことから起きたんじゃないかという気がする。
もちろん、新型コロナウィルス というまだよくわからないものに世界中が翻弄されているという不安や今後どうなるんだろうという心配もストレスの原因になってると思うけど、わたしの場合ストレスの正体は案外すごく単純なものだったかもしれない。

家からほとんど出ない生活を続けていると、普段は気が向いたときにしか開かないSNSのページをこまめにチェックしてしまってた。
さらに、こどもたちに振り回されてイライラが募ると、いつもはSNSへのわたし自身の投稿にほとんどこどもを出してなかったのに、こどものおもしろ発言や可愛いショットを投稿して友人知人たちのリアクション(たいてい笑ってくれたりポジティブな反応)を慰めにすることが少なくなく、なんとかバランス取ろうとしてるのが我ながらわかりやすい。

マスク嫌いのわたしでも今では外出時には必ずつけていて、たまにマスクしてない人を見かけると違和感を感じてしまうくらい習慣になるとは。
人の表情が見えないし、これから暑くなる中しんどいなぁと思う。
新型コロナウィルスと共存した働き方や学校教育などの変化は当然として、なんの気兼ねもなしにみんなと集まって食事を囲み、大笑いしてた日々は戻るのだろうか。

2020/05/29

stay home

(備忘録としての文章なので面白くもない話ですが悪しからず。スルーしてくださいね。)

3月から上の子の学校の休校が始まり(実際にはその前の1週間インフルエンザだったから2月最終週から学校を休んでいた)、4月に入ると緊急事態宣言が出て下の子の保育園も預かりが厳しくなって週1だけの登園となった。

2人のこどもがいて、うち1人は2歳児となると在宅ワークはほぼ無理。
週1の登園日にできる数時間以外の仕事はほぼ諦めて、小学生には宿題をさせ、2歳児にはなるべくTVを見せないよう遊ばせるのは簡単ではなかった。
連れて行けるところはなく、目の前の公園くらい。
雨の日は公園にも行けず、ただ家の中で過ごすのは時間が長く感じられた。
毎日機嫌よく過ごすなんてとてもムリで、かなりのストレスがたまる日もあった。
そんな中でも、新聞やネットの記事では在宅でこどもと充実した時間を過ごす例がたくさん紹介され、そういうことをしてやってない自分を残念に思ったり焦りを感じたり、ますます嫌な気分になりそうだった。

夫は毎日早朝から仕事に出かけ、それはそれでストレスフルな状況らしく、わたしたちが夕食を終えた後に帰ってくるともういろいろ考えるのが嫌だと、TVを眺めながら飲む日課。
わたしはこどもたちが寝てからがやっと自分の時間でやりたいことがいろいろ。
で、あっという間に寝る時間になっちゃうから、わたしは大人と話す時間がほとんどないことになる。
これが案外キツい。

オンライン飲み会とかどうなん、と思うんだけど、みんなやっぱり喋りたいんじゃないんかな。
テレワークは効率的なのは確かだけど、オンラインで会議はしたとしても職場での雑談と同様なことって難しいような気がする。
わたし自身は通勤時間も嫌いじゃない。

ともあれ、いろいろたまるストレスを八つ当たり的にまだ8歳の上の子にぶつけてしまうことがあって、その度に自分にがっかりした。
そして、1週間ほど前に朝からストレスで胸が苦しいまま1日を過ごした日があった。
その日、たまたま登校日で学校からこどものストレスについてこどもに尋ねるプリントが配られていて、わたしは自分のことで精一杯でこども自身のストレスについて思いやる余裕もなかったと初めて気づいた。
それで、こどもにそのプリントを読ませた上で「お母さんも友達に会ったり仕事に行ったりできなくてしんどい。それでいつもより怒ったりしてごめんね」と言うと、案外あっさりと「いいよ」と言ってくれたのだった。
「このコロナの間、何か心配なことない?」と聞くと「家族がコロナにかからないか心配」と、普段口が悪くて閉口してるのにかわいいこと言ってくれる。
ダメ親のわたしの気持ちを明るくしてくれた。

来週、6月に入ると学校は段階的に通常に戻り、保育園も毎日の登園が可能になる。
この3か月のstay homeの間の記憶があまりないんだけど、つらかっただけの3か月でもないのは確かだ。
2歳児の著しい成長を毎日間近で見られ、上の子も夏休みの倍以上の期間をあまり縛られることもなく過ごすって一生に一度のことだったと思う。
学校生活はいろいろあり過ぎてこれからどうなるか心配しても始まらないほどだと思うけど、とりあえず、家族が元気でそろっていることは本当に有り難い。
SF的な世界の中にいるようでまだ実感がない毎日を、いつかどう思い出すんだろう。

2020/05/10

7日間ブックカバーチャレンジ《7日目》

最後にどれを選ぶか、いくつか候補があったけどこれに。
村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』



読んだのは高校のときだったか大学生になってたかどうかも覚えてないし、そもそも内容をすっかり忘れてる。
今回参考にブックレビューであらすじを読んでみてもやっぱり思い出せない、そんな本を紹介していいものかと思うんだけど・・

この小説を読んで数年後、長崎の炭鉱の廃墟の島:軍艦島(端島)に行ったときのこと。
当時の軍艦島はまだ整備も公開もされてなくて、ただ朽ちた町が野晒しにされていたところに上陸して、ふと「これ『コインロッカー・ベイビーズ』だ」と鮮烈に納得した印象が残ってるんです。
軍艦島に行くまでこの物語のことなどすっかり忘れてたのに、四半世紀も過ぎた今でもその感覚を思い出せるって、文学の力なんだろうな。
それと、よく言われる「若いうちに本を読んどけ」というのはやっぱり間違いないでしょう。覚えてなくても、本はその人の深いところに影響を与え続けているようです。

と言いつつも、軍艦島から帰って小説を再読して自分の感覚を確かめることなく今に至ってます。

7日間ブックカバーチャレンジ《6日目》

都築響一『TOKYO STYLE』



建築雑誌にもインテリア雑誌にも絶対に登場しない、安くて散らかった部屋ばかり約100軒分の写真集。
30年近く前のものだから、写ってる部屋はさすがに時代を感じさせるけど、この企画のアイデア;美しいわけではないものをわざわざ集めた写真集というものに軽い衝撃を受けたのでした。
わたしが何度も同じ本を買ったのは唯一これだけです。
なぜかというと、すぐに人にあげちゃったから。
まだインターネットが普及する前、海外に出かけるときに1冊鞄に入れてって、日本といえば「フジヤマ、サムライ」的な印象を持つ人たちに「ほとんどの日本人は美しい日本建築や和室に暮らしてるんじゃないんだよ」と見せて、気に入った人には渡してました。
携帯電話もましてSNSもない当時のリアルな東京の暮らし、居住空間がここにあります。

7日間ブックカバーチャレンジ《5日目》

番外編『non・noお料理基本大百科』


大学に入って1人暮らしを始めたとき、学科・サークルの先輩から勧められた料理本です。
調味料が「さ・し・す・せ・そ」しかないような家で育ち、高校までお菓子作り以外の料理をほとんどしたことがなかったので、この本でいろんな食材・調味料を使ったいろんな料理が面白くて片っ端から作りました。
800ページもある本だけど初めて知る世界にはまってしまって、ほとんどの料理を1回は作ってみたという、聞いた人はびっくりします(引いてる笑)。
今でも開くことがあります。
そして、かなりの年代物なんだけど今でも販売されてることにもびっくり。

7日間ブックカバーチャレンジ《4日目》

『BROOCH』
絵:渡邉良重/文:内田也哉子 デザイン:渡邉良重



わたしの中のガーリー成分を刺激してやまない美しい繊細な絵本です。
D-BROSのデザイナー渡邉良重さんのイラストが薄紙に印刷されていて、次のページが透けて見え物語が続いていくという仕掛け。
たまらん💘

7日間ブックカバーチャレンジ《3日目》

荒俣宏『帝都物語』シリーズ



映画を観たのが先だったと思うけど、映画の記憶は嶋田久作が演じた「加藤」以外あまりなく、B級な印象だったかな。
でもその世界観に惹かれたのか、高校生だったわたしが原作を手に取るとこれが面白くて全10巻読んでしまいました。
作者の荒俣宏さんは博覧強記でビブリオマニアのかなり変態なすごい人だと認識していますが、これが小説家としてのデビュー作だったようですね!
陰陽道や風水、都市計画を面白いと思ったのはこの本から、わたしの廃墟趣味の根っこもここにあるんじゃないかと思ってます。

7日間ブックカバーチャレンジ《2日目》

マンガだし1冊でもないんだけど・・・
松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』シリーズ


同世代の女子の漫画雑誌遍歴は、小学生時代の「なかよし」から「りぼん」を経て中学生時代の「別冊マーガレット」が王道だったんじゃないでしょうか(だったよね?)
わたしは中学のとき「別マ」ではなく習ってたピアノの先生のレッスン室の本棚にあった「ぶ〜け」をレッスン前の待ち時間に読んで、連載されてたこれにはまっちゃいました。
これを見ると、中学生当時の、思い返すと恥ずかしくも底抜けに楽しかった、毎日笑い転げてた日々を思い出します。

7日間ブックカバーチャレンジ《1日目》

新型コロナウィルス で外出自粛のゴールデンウィークに、Facebook上で友人からバトンを受け取ったリレー「7日間ブックカバーチャレンジ」。
7日間毎日本を1冊紹介すると同時に誰かにバトンを渡してリレーするという試みで、紹介する本は表紙のみ載せて内容については触れなくてもオッケー、リレーも必須ではないということで、初めは3日間を目標として、続くかどうか怪しかったんだけど、やってみるとあれもこれも、と7日間では足りないくらいで意外と楽しかったので、記録としてここにも転載しとこうと思います。


黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』


小学生まではとにかく本の虫だったわたし、近所の児童図書館の本は読み尽くしたと言えるくらい。
中学生以降は読んでも気分転換程度のお気楽読書でした。
そんな中で、深いところでわたしに影響を与えてた本はやっぱり小学生の頃に読んだ本だったようです。先日たまたま投稿した『おおきなきがほしい』もそうでしたが、これも気づかないうちにわたしのベースをつくってくれてました。トモエ学園、今でも探し続けています。誰かご存知の方いたらお知らせくださいね!


ちなみに、上記の『おおきなきがほしい』の投稿はこんな感じです。




Mさんの投稿をきっかけに、本当に久しぶりに開いてみた絵本
世界名作シリーズのアニメでいちばん好きだったのは『南の島のフローネ』だし、わたしが今でもツリーハウスに並々ならぬ憧れをもってるのも、原点はこの本だったのだと初めてわかった!

2020/02/21

数字

こどもの頃の好きな数字は偶数でした。
いつでも半分にできる分かりやすさがよかったのかなと思います。
それがいつの頃からか素数が好きになってました。
1とその数自身でしか割れないという、いじらしさというかプレシャス感のせい?笑

最小公倍数的な数字はむかしも今も好きです。
12なんて1でも2でも3でも4でも6でも、もちろん12でも割れて、しかもダースということで何かと重宝しています!?

それにしてもふと思いましたが、高校の数学で習った行列とか虚数って、今となってはどんな内容だったのかさっぱり思い出せないし、これまで思い出す必要もなかったなぁ。
日常生活で実際使うのは四則演算のほかには方程式や簡単な三角関数くらい。
確率は習ったときにけっこうおもしろくて、その後宝くじを大量買いしたときにバラで買ったのに確率どおりの当たりでちょっと感動でした。

2020/01/28

1995年1月17日

あれからもう四半世紀経つといわれても、信じがたいようななんの区切りにもならないような・・・
実際に震災を経験していないわたしには何も言うことはできないけれど、久しぶりに当時のことを思い出しました。

わたしはその前の年の夏から1年間の予定でアメリカのオレゴン州で暮らしていました。
その日のいつだったか時間は覚えていませんが、近くの日本人の友人からの電話で、日本で大きな地震があったと知ってすぐにテレビをつけたのです。
ニュースではNHKの映像を流しながらキャスターが英語で喋っていましたが、ニュースを聞き取れるほどの英語力はなかったわたしは、画面左下に出ている『BILINGUAL』のマークを見てどうやったら日本語放送に変えられるんだろうとテレビ周りをいろいろ探してみて、はたとこれは日本のNHKを見ている人向けの画面だと気づき、英語の報道を必死になって聴いた覚えがあります。
(それまでテレビはMTVくらいしか見ず、新聞もほとんど読まなかったわたしは、今のようなネット環境ではなかった当時、それ以降ニュースや新聞記事にチャレンジ、情報収集に励みました。)

日本への電話は、とくに関西に住んでいる友人にはなかなかつながらなかったけど、当時鳥取県に住んでいた祖母につながったときに「米子でもけっこう揺れたよ」と聞きました。
大阪に住んでいた友人はかなり驚きはしたものの被害はそれほどでもなく、兵庫ではしばらくお風呂に入れなかったという友人はいても直接の知人が亡くなったり家をなくしたりということはありませんでした。

だからといってはなんですが、その年の夏に日本に帰ると神戸の街が案外片づいているように見えたりして、わたしは震災の恐さを実感しないままなんです。
それでも、建築の仕事に携わることはこの震災後なにか意味があるのでは、とおこがましくも考え、まだ何も為さないまま今に至っています。

2020/01/21

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

イギリスに暮らすブレイディみかこさんというパンクな母ちゃんである著者が、息子の中学生活を描いた、帯の『一生モノの課題図書』というコピーがそのまんまのノンフィクションです。


白人の父親と日本人の母親を持つ少年がノートに書いた落書き「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が上手いタイトル。
日本もかなり格差がひどくなってきた感があるけど、イギリスではそれがもっと顕著ではないでしょうか。
貧富の差や人種・移民への差別など、底辺中学校に通うこどもたちは社会の縮図と言わんばかりの状況で毎日を送っています。
友人たちとぶつかり合うその中で、息子が起こす行動や母みかこさんが与えるヒントが、なんともじんわりくるんです。
あ〜、わたしも母としてこどもたちにこんな言葉をかけてやれる人になりたい。
そもそもここ日本で暮らしていると表向きは同質な人の集まりで、こんなあからさまなぶつかり合いはあまりないと思うんだけど、人が成長していく上でそれはあった方がいいんじゃないかと思わされます。

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(今17歳)のことも出てきて、息子が自分も環境デモに参加したいと思ったけど叶わずというエピソードがあり、日本の中学生にもこんな子がいるのかと訝ったり、でも世界はつながっていると感じたり。

2020/01/20

『天気の子』

2019年/日本
監督:新海誠

言わずもがなの去年のヒットアニメ。
7月公開からずっとロングラン上映していて、わたしは頂き物のチケットで年末に観てきました。

平日の午前中、観客はまばらで客層もばらばらの中、どれぐらいの期待値で観たらいいんだろうと思ってたけれど、杞憂のようでした。

映像はほんと素晴らしい!
全編雨の中の描写がほとんどで、想像するにアニメーターの人たちは手間暇かかったんじゃないかと思うんだけど、表現がものすごく細やか。
( CGで簡単にできるのかどうかは不明です。)
これはやっぱり世界に誇れる技術であり情緒であると思います。
そして、エンドロールの制作スタッフにはたくさんの外国の名前が連なっていたのがまた感慨深いです。

ストーリーについてはだいぶ前に読んだレビューで、深読みすると現代社会は常に誰かの犠牲の下に成り立っているという内容が謳われているということだったんだけど、たしかにそうなんだよなぁ。
主人公の少年が少女のところに辿り着いて、世界のために犠牲になることはないと連れ出したときの場面の展開には鳥肌が立ちました。
ちょっと泣いちゃいそうだったかも。
表面的には壮大なラブストーリーともいえるけど、それだけではないからこれだけヒットしたんでしょうね。