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2012/12/17

バルトの国とスウェーデンの旅−6(ヴィリニュス)

リトアニアの首都ヴィリニュスに到着したのはもう暗くなりかけた頃。
一応リーガで宿を予約してたので心配ありません。
いつも着いてから宿を探す場合は、新しい街にはなるべく早く行くようにしています。

それから、着いたら次に行くところを考え始めます。
ヴィニリュスの次は、バルト3国のうち残るエストニアの首都タリンを考えていましたが、なんか天気が悪くて寒そうだしバスで10時間くらいかかるという。
ちょっとタリンに対してテンション下がっていたところ、宿のスタッフの人と話していて私の最終目的地のスウェーデン行きのフェリーがリトアニアから出ているということがわかって、いっそのことエストニア行きはやめてヴィニリュスでゆっくりしてフェリーの旅をしよう、と盛り上がりました。

宿はアパート形式のゲストハウスで3部屋に共用のバスルームが2つでしたが、シーズンオフで私以外にもう1部屋しか客がいなくてそれぞれ専用バスルームでラッキーでした。
部屋は十分に暖かいし快適です。



朝食は事前にリクエスト用紙にチェックを入れたものを希望の時間に部屋の前に置いておいてくれるシステム。
これで1泊2400円ほどでした。

ヴィリニュスで特に感じたのは、ここがほんの20年ほど前はソ連の一部だったということ。
今回の旅行まで、私はバルト3国って聞いたことあるけどどこにある国か知りませんでした。
それを現地の人にいうと「小さい国だから」というけど、日本だって小さな国です。
今回ほど歴史を勉強してこなかったことを残念に思ったことはありませんでした。

ゲストハウスのオフィスでパソコンを借りてメールチェックをしたりする際、スタッフの女の子とおしゃべり。
26歳のグルメな彼女と「これを食べるならこのお店」などと女子トークもありながら、彼女にはまだソ連時代の記憶があって、幼い頃弟のミルクの配給に長い列に並んだことも聞きました。
今の街はもう当時の面影は感じられません。

KGB博物館へ行きました。


公園に面したこの立派な建物が、かつてKGB(ソ連の秘密警察)が置かれ人々が拘留され拷問された場所です。
壁にはここで命を落とした人たちの名前が刻まれていました。


内部は撮影禁止でしたが、撮影可であってもカメラを向ける気がしない当時そのままの様子が保存されていて、本当に寒気がしました。
展示内容をすべては理解できませんでしたが、恐ろしいことが行われていたことは確かです。

それから時代は違いますが、国立ユダヤ博物館でもひどい過去を目の当たりにしました。
第二次世界大戦時にナチスの犠牲になったのはドイツ、ポーランドのユダヤ人だけではなかったと、恥ずかしながらリトアニアに来て初めて知りました。

ヴィリニュスの旧市街も世界遺産に登録されています。


旧市街の中には大学もあって、何気に入ってみたりできます。
とっても素敵な古書室は、職場として最高な環境でスタッフの方がうらやましい。



学食でちゃっかりお手頃ランチもいただきました。
スープとパンケーキで270円ほどで、おいしくてお値打ちです!


この街でも日本食は人気のようです。
が、中華と一緒になっちゃってるみたい。



それからお寿司のデリバリーもあったりしてびっくりしました。


日本ではリトアニア料理のお店ってないですよね。
でも、かなり口に合います!美味しいです!
誰かお店つくってくれないかな〜。

いくつもの教会に行ってみましたが、特に気に入って2回も行ったのが『夜明けの門』。


旧市街の入り口上部に聖母のイコンがあり、信者が絶えません。


聖母が奇蹟を起こすとして、人々が治癒や幸福を願って捧げた銀細工が壁一面に並んでいます。



手足や指、目などモチーフが直截的で、意味を知らなかった初めはちょっと不気味に感じましたが、それが身体を治したい一身で捧げたものだとわかるとその信仰心に圧倒されました。
門の上から旧市街を見返した眺めもいいです。


私が感じるだけかもしれませんが、リーガもヴィリニュスも「東側」を感じさせる街でした。
旧市街はもちろん歴史を感じさせる美しい町並みなのですが、その旧市街を含む街全体にどこか暗さがあるような気がします。
壁が崩壊して10年後くらいのベルリンに行ったことがありますが、その旧東ベルリン地区で感じたのと近い。
パリのような瀟洒なヨーロッパ都市というのでなくて、どこか荒んだ感じというか。
西側ではすでに高額なたばこも、こちらではリーズナブルで路上喫煙も日本以上に多いと思います。
まだ、ソ連時代の統制からやっと自由になれた解放感を残しているのでしょうか。




ヴィリニュスの中で独立を宣言しているというユニークなウジュピスという地区があり、独特の雰囲気がおもしろいです。



それからおもしろいと思ったのが、建物の修復方法です。
かなり古い建物も外壁はたいていきれいに塗られていますが、オリジナルの外壁を一部残しているものがあちこちで見られました。



最後にめっちゃおいしかったケーキ屋さん。


すごく雰囲気のいいお店なんだけど、プラスチックのトレイでセルフサービスというギャップがまあ嫌いじゃないかな。
これで約330円。


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