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2011/07/07

旧山邑家住宅(ヨドコウ迎賓館)見学

前回に引き続いて、F.L.ライトゆかりの建築見学の第2弾、旧山邑家住宅(ヨドコウ迎賓館)をご紹介します。

ヨドコウってご存知あのヨド物置の淀川製鋼所です。
もともと灘の酒造家である山邑家の依頼で1918年にライトが設計したものですが、その後アメリカ人の家族が住んだりヨドコウの寮になったりして、1989年からこのように一般公開されるようになったようです。1974年には国の重要文化財に指定されています。
ライトが設計した建築物としては日本に完全な形で現存する唯一の作品で、工事はライトの帰国後弟子の遠藤新や南信(みなみまこと)によって建設されました。

鉄筋コンクリート造4階建てですが、斜面に沿うような形で建てられていて外観からは4階建てに見えないし、内部でも階段や通路をたどっていくと自然と最上階まで連れて行かれたような感じがして4階分も上がった気がしません。

4階のバルコニーからの眺めはさすが!
その見返し、食堂からバルコニーへの出入口です。
大谷石に彫刻を施し、なんともお金持ちの別荘感漂う~。
そして、その食堂の天井はこんなに凝ったマホガニーの装飾がされていて、なんとなく教会にでもいるような荘厳な感じがしました。
和室のデザインはちょっと不思議系。アメリカ人の目から見た和風ってことなのでしょうか。
これも和室の壁面デザイン。不思議だけど、外光の入り方がきれいです。
廊下の天井の小さなトップライトも、ガラスの割り付けがいかにもライトですよね。
壁・天井のテカテカのペンキ塗りは何故?です。この建物の内部全体そうなのです。もしかしたら、アメリカ人家族が住んでいたときにやっちゃったのかも、と聞きました。
なんとかならないのかなぁ。
私がちょっと気にいったのが、このコンセントのデザインです。これは使用人室ですが、こんなところまで手を抜かない、っていうかローコスト住宅の真逆ですね。贅沢です。
応接室です。家具は配置をアレンジできるので、なかなかすぐれものです。
それぞれの出入口はわざと狭く作ってあって、そこを抜けると広がりを感じられるようにデザインされています。
アプローチから車寄せ部分を振り返ったところです。門の上の花台?がいいスケール感だなぁと、自分だったらこう思い切った形にはできない故感心です。







最寄りの阪急芦屋駅から徒歩10分と近く、気軽に行けるライト建築ですので、お勧めです。


所在地  :芦屋市山手町3-10
開館日  :毎週土・日・水曜日と祝日
開館時間:10~16時(入館は15:30まで)
入館料  :大人・大学生  500円
        小・中・高校生 200円
問合せ  :0797-38-1720

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