台湾の旅の途中ですが、久々のコンサートがとてもよかったので忘れないうちに!
どういう経緯で観たのかは忘れてしまったけど、四半世紀近くも前の2001年の『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』という映画が、もしかしたらわたしにとってはこれまでに観たどの映画よりも縁が深いもののような気がします。
ハリウッドよりはヨーロッパ映画や韓国ノワール、B級やカルト系も好きだったので、映画のポスターのビジュアルで観に行ったと思いますが、そのサントラ盤を買って聴いたらさらに好きになった、音楽が重要な位置を占める映画です。
その後日本のミュージシャンが作ったトリビュートアルバムも買ったし、数年後に三上博史さん主演の日本語版の舞台も観ました。
監督・脚本・主演のジョン・キャメロン・ミッチェルが今回『MIDNIGHT RADIO The History of Hedwig』というタイトルでコンサートをすると知って、これは行かねばとチケット申し込み、ソロ活動です。
NHK大阪ホールの前よりで中央の席、観客は平均年齢は少々高めだけど老若男女、ファッションも普段着からクィアっぽいと言ったら語弊があるかもだけどお洒落な方々もいます。
ヘドウィグそのもののジョンが登場すると、映画のときはまだ30代、現在は62歳なのに全然変わらない様子にじーん、本物だ〜。
でも喉の調子がイマイチだそうで、予定2時間の公演が終わってみたら1時間半ほど。
あっという間だったけど、多幸感に満ちた時間でした。
ジョンが客席に降りてきて一周駆け回ったときには、通路側の席だったら間近に見られてタッチできたのに〜、中央の席が仇となった・・・。
『今回のスペシャルショーは、伝説のミュージカルの数々の名曲を、生みの親ジョン・キャメロン・ミッチェルが生歌と生バンドで歌い上げながら、ヘドウィグの誕生秘話やビハインドストーリーを語る』と謳われていました。
どんな公演になるんだろうと思ってたら、舞台の背景のプロジェクションまでも生アート。
舞台袖にいる人が即興で作り出すアートを映していて、とってもアナログだったのです。
2日前にたまたま大阪・関西万博に行って、たくさんのデジタルアートに触れてたので、この手づくり感溢れるアート(もともとアートってこの世にひとつの手づくりのものか)がすごく新鮮でした。
それから、ジョンの語りが日本語訳されて字幕が出るんだけど、全てが台本どおりではなく、字幕なしで合間に挟まれる言葉がわかる人だけが笑うとき、ああもっと英語をブラッシュアップしとくべきだった、と後悔。
そして、スペシャルゲストで以前ヘドウィグ役を演じたことがある山本耕史さんが登場、ジョンと一緒に歌う場面もよかった!
山本耕史さん、歌うまいんですね。
わたしは山本耕史さんはドラマ『きのう何食べた?』の主人公の友人・小日向さんがハマり役と思っているので、ヘドウィグ役も見てみたかったな。
これは、不完全な自分のかたわれとしての愛を探し求めて旅をする性転換手術をしたロックシンガーの物語。
不恰好で、切なくて、愛おしい主人公とこの音楽の数々が、何年経っても大好きです。
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