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2022/08/23

越後妻有 大地の芸術祭 2022 帰途

18:00前に出発。
 高速道路のことはよく知らないし、大阪〜新潟の行きも帰りも車のナビに従うのみだったのですが、出発してしばらくすると往路では見えなかった海が見えてきて焦りました。
行きはだいたい大阪→京都→滋賀→岐阜→愛知→長野→新潟だったのですが、帰りはなんと日本海沿いに新潟→富山→石川→福井→滋賀→京都→大阪というルートだったようなのです。
おかげで夕焼けの日本海を眺めながらのドライブができました。

途中、ナビで黒部という地名が出てるときに高速道路に並行してJRの駅が見え、横目で「漢字がたくさん書いてある」とうちの鉄男くんに伝えると即座に「黒部宇奈月温泉駅」と答え、それだけのヒントでわかるとは、何かに活かせないのかなぁ、それはまた違うんだろうなぁ、と思った母でした。

SAで夕食の後は、ただひたすら灯りもないような道を延々と走ります。
行きはたくさんのトラックが併走してたのに、こちら側のルートはすごく空いてて、心細い気もするけどハイビームで走るのはちょっと気持ちいい。

スタートが早かったこともあり、がんばって車中泊なしで夜中に帰ってしまおうとも思ったけど、電話で夫から仮眠するように言われ、1時間ほど仮眠。
今回は後部座席をうまくフルフラットにできたので、快適に眠れてスッキリ〜。
何杯目かのアイスコーヒーを飲みながら3:30頃に無事帰宅できました。

片付けは後回しで、10:00くらいまで眠るとその後も眠くならずスケジュール的にいい感じでしたが、とにかく疲れた!
往復と現地での移動で1200kmほど運転しました。
また行けたらと思うけど、往復は違う方法を検討した方がいいかなー。

今回の車中泊のために買ったコードレスの扇風機は、今トイレで活躍してます。



越後妻有 大地の芸術祭 2022 3日目

前の晩は、 エアコンがなく扇風機のみの部屋で、ふかふかのお布団は嬉しいけど暑くて寝苦しく、次の日の帰りのことを考えるとちゃんと寝なくちゃと思いつつも何度も目が覚めながら、3時くらいに少し肌寒くなって扇風機を止め、窓の外を見ると満点の星空でした。
今回8人部屋を親子3人で使わせてもらったから扇風機も好きなように使えたけど、そうでなかったら相部屋はちょっと辛かっただろうなぁ。
2段ベッドの上段を希望した上の子には、部屋の扇風機の風が届かないから、持参したコードレスの扇風機が役立ちました♪


新潟最終日は熱中症警戒アラートが出るほどのお天気で、大阪と変わらない!
冬には4mも雪が積もることもあると聞いたけど、想像できない〜!

まずは検温スポットのまつだい農舞台へ。
ここにもたくさんの作品があり、さっそく楽しげな廻転する不在に夢中の上の子。


もちろんわたしも漕ぎました♪
そこから前の日に行ったまつだい駅が見えましたが、連絡橋の窓を保護する横板を見ると、冬にはそこまで雪が積もるということが目に見えて驚きます。


周辺にまだ作品がたくさんあるのはわかっていたけれど、上の子がどうしても行きたいと言って待ってくれなくて、先に奴奈川キャンパスのはなしるべに向かいました。


廃校のグラウンドに敷設されたトロッコで、熱中症警戒アラートが出ている中、何の警戒もしてないこどもたち笑。
週末で乗りたい人の列ができそうなものの、あまりの暑さに外でこれに乗ろうとする人はほとんどおらず、いても1回乗って終わりのところ、上の子は汗だくでトロッコを動かし、手に水膨れまで作って9往復もしたそうな。

わたしは校舎の中の作品巡りで、まずエントランスの壁面の大地のおくりものの彫刻が絵本の世界のようでした。




ワクワクするような南極ビエンナーレ−フラム号2はもっと詳細に見たかったな。




それから世界をつなぐメールアート・プロジェクトの中でおもしろいと思ったのが、食品パッケージをそのまま葉書にしてこの会場に送ったもの。


それと、これもなんかレトロで好き。


そろそろお昼の時間かなと思いながら、もうひとつ行ってから、と寄ったのが越後松之山「森の学校」キョロロで、森の中に突然鉄の塊が現れて驚きます。
手塚貴晴+手塚由比さんの設計だったんですねぇ。
冬に雪に埋もれることも織り込み済みということで、その景色も見てみたいと思いました。



潜水艦の潜望鏡のような塔のてっぺんまで暗闇の中を34m歩いて上がると↑の景色に出会えます。
ここも周りにたくさんの作品があるのは承知で今回は諦め、次の磯辺行久記念越後妻有清津倉庫美術館[SoKo]に向かいます。
お昼の時間には少し遅くなってしまい、ランチスポットを探すのももどかしく、結局地元スーパーで買ったパンなどで車内で済ますという・・・
でも、ここでの作品も良かったから帳消しということで。

前の日に見た中谷ミチコさんの作品にここでも出会えました。


それから、プールの底にという作品でピアノを弾くと予想外に水の音がして、本当にプールの底にいるよう。



こんな作品も外の自然と互角な感じで、対比がおもしろい。


朝イチに行ったまつだいに戻る途中、上の子のたっての希望でもう一度ここに寄って写真撮影。
1日目に行ったときには、何かで拗ねてて写真に収まらなかった人ですが、これで満足笑。


まつだい農舞台から出ているシャトルバスで、松代城へ。
シャトルバスを降りてからもまだ10分ほど山道を上らなければならないのに、下の子がちょうど眠たい時間で「抱っこ〜」と大泣き、わたしは「無理!」で周りの人に心配されながらも汗だくでなんとかお城にたどり着きました。
なんか冗談のような可愛らしい天守ですが、中はもうテンション上がるー♪


1階のエントランスというかワンフロア丸ごと使った憧れの眺望は、グラフィックが立体になったようで、わたしはなぜかGANTZという邦画のイメージが出てきました。

2階に上がると、今度は楽聚第という金の茶室が現れます。




内部に描かれた絵柄がまたいろいろで楽しいのです。

そして、最上階の3階は脱皮する時と名付けられた部屋で、名栗ならぬ彫刻刀で一面彫られた床や壁・天井が黒々と周囲の景色やわたしたち自身を映して作品の一部にしてしまうように感じられます。



松代城から歩いて山を下りれば途中でたくさんの作品を見ることができるのですが、さすがにもう「抱っこ〜」と泣かれたくなかったので、今回は諦めてシャトルバスに乗って下山しました。
シャトルバス乗り場ではガリガリ君が売られてて、汗をかいた後に有り難かった〜。
せめて少しでも見てやろうとシャトルバスの助手席に乗せてもらうと「(こどもを差し置いて自分が助手席かよ)」という圧を感じなくもなかったけれど、この芸術祭はわたしが来たくて来たの、ということで遠慮なく自分優先しちゃいました。

まつだい農舞台の中にもいろんな作品がありましたが、この関係−黒板の教室は教室すべてが黒板になってて誰もが参加できて好きに書ける空間でした。



ここで残念ながらタイムアップ。
まだまだ見残したものがいっぱい。
ガリガリ君を売ってたおじさんは「紅葉の時期もいいよ〜」と言ってたし、芸術祭は11月13日まであるし、「また来るか」と簡単には言えないけど、パスポートは大事にとっておこうと思います。

ちなみに、三省ハウスのスタッフさんは「冬に来てぜひ雪景色とのギャップを見てほしい」と言い、たしかに見てみたいけど4mの積雪で運転する覚悟はないなぁ・・・

2022/08/12

越後妻有 大地の芸術祭 2022 2日目

 しっかり眠ったはずだけど、疲れが取れていないのか頭痛の気配。
わたしの頭痛はひどくなるとごはんも食べられないほどになってしまうので、今日は慎重にゆっくり発進。
それでもいつもどおりのこどもたちにつき合って、かたくりの宿の体育館(廃校を宿にしているので体育館が残っているし、わたしたちが泊まった部屋も1年7組)にある妻有双六という作品で実際に双六をしました。
これがまた楽しい♪
見てるだけでなく、体験することをお勧めします。
朝ごはんもとても美味しかったのですが、もったいないことにこどもたちは持参した味のりでご飯を食べてしまい、おかずのほとんどはわたしのお腹の中に・・・

宿の周りを散策したりしてのんびりしたかったけど、今日は芸術祭の作品をたくさん回りたいこともあって出発。
とにかく作品が多すぎて、土地勘もなく、予習もしておらず、どこから手をつけたらいいのかわからない状況だったので、主な作品の写真が載ったパンフレットをこどもたちに見せて行きたいと言ったところを目指すことにしました。
芸術祭のアプリやガイドブックもあったのですが、わたしはアナログに芸術祭必須のパスポート(4500円、わたしは早割の3500円で購入)やガイドマップ、公開カレンダーを見比べて場所や公開日かどうかを確認するのはけっこう面倒で、ひとつ見たら全部の情報が載ってるものが欲しい!と思いながら、スマホや車のナビがなければお手上げでした。

コロナウイルス感染対策として毎日検温スポットに寄るルールなんですが、さっそく通りがかりに見つけた検温スポットの酒屋さん(営業中)には、立派な建物の中にInvisible Grove〜不可視の杜〜という繊細な作品がありました。




それから上の子のリクエストのあった廃材水族館へ。


次に下の子のリクエストKiss & Goodbyeのある越後水沢駅に行くと、すごく可愛らしい無人駅で、ホームの向こうに広がる緑とこちら側の芝生がとても気持ちよく、コンビニで買っていたパンやおにぎりでお昼ごはんにすることにしました。
鉄ちゃんの上の子は作品そっちのけで、ローカル線に夢中!
1時間に1本もないけどタイミングよく見られて満足してました。



Kiss & Goodbyeの作品はもうひとつ隣の土市駅にもあり、2か所で鉄ちゃんに予定外の時間を取られましたが、わたしの頭痛もおさまってきてよかったよかった。

次に行ったのが、絵本と木の実の美術館で田島征三さんという絵本でよく見かける作家さんが廃校を舞台に壮大な絵本という仕立てでまるごと美術館にしたものです。
こどもたちが屋外の作品で遊んでいる間にわたしは体育館と校舎を見て回りました。
田島征三さんはけっこうなお年と思いますが、教室の間仕切りや天井も突き破るオブジェを学校中に作っていて、溢れるエネルギーを感じました。



↑これは作品ではないけど、元々の下足入れの棚を一部抜いてブーツ(長靴?)用にしてるのが無造作で良い感じ。

ここで15時頃、ほとんどの展示が17時か18時で終わるので、移動時間(車で30分とか平気でかかる)を考えると残り時間で行けるところがもう限られてきました。
この絵本と木の実の美術館のスタッフさんに聞いて、芸術祭のメイン会場のひとつである越後妻有里山現代美術館MonETへ。

美術館に入る前にも、屋外に楽しいモグラTVなどがあってなかなか中に入れず。
口の字型の建物の内側は水が張られていて、入りたいという下の子を止めるので一苦労。
2階に上がってあるポイントに立つと、そのPalimpsest:空の池という作品が立ち現れて驚きます。


現代美術館らしく、かっこいい作品がいろいろありました。
例えば、名和晃平さんのForce


中でも気に入ったのが中谷ミチコさんの遠方の声という作品で、通常は凸となる立体を凹で見せ、見る角度によって見えるものが違うという、これまで経験したことのない鑑賞体験でした。

そろそろ宿に行こうと向かっていると路肩に作品の案内看板があり、最後に寄ったのが最後の教室
これも廃校をまるごと使った作品で、わたしたちの他に鑑賞者がほとんどいないし、こどもたちがいなかったらわたし1人ではちょっと怖かったかも。


そうしてようやく三省ハウスに到着。
前日に泊まったかたくりの宿の感覚(普通の旅館と同様部屋にお茶セットが用意されていた)で特に飲み物も用意して行かなかったら、ここにはお茶セットはおろか自販機などもなくて、水分は必要だからと最寄りのコンビニを聞くと車で10分、5km離れたところをおしえてくれました。
さっそく買い物に行くと、そこは北越急行ほくほく線まつだい駅で、またテンションの上がった鉄ちゃんにしばし付き合わされます。
戻って、シャワーを浴びると夕食タイム。
前日の夕食が特別美味しかったとわかりました。

夕食後、エアコンのない宿で唯一エアコンがついている談話室で宿泊者だけが体験できるプログラムLost Winterがありました。
25分間の作品で、こどもたちは他の宿泊者たちに相手してもらいながら過ごしました。



ひとつの作品を25分かけて味わうってなかなかないですよね。
とてもいい時間でした。
作品プログラムが終わってからも、快適な談話室に残って翌日の作戦を立てようと他の宿泊者たちと情報交換。
ゲストハウスのいいところはこういう交流ですね。
おかげでいいこと聞けました。


話は尽きなかったのですが、翌日は1日芸術祭を楽しんだ後夜の運転で帰阪の途に就かなければならず、わたしはちゃんと寝ておこうと後ろ髪を引かれながら自分たちの部屋に引き上げました。

ちなみに、基本男女別の相部屋のところ、平日で余裕があったので8人部屋を家族3人で使わせてもらいラッキー♪
そして、キャンセル待ちにしていた3泊目も泊まれることになったのですが、その場合は相部屋になりコロナ感染の心配や2泊の予定で出てきたこともあり、かなり迷ったものの延長せずに帰ることにしたのでした。

2022/08/04

越後妻有 大地の芸術祭 2022 1日目

 最初に目指したのは清津峡渓谷トンネルのTunnel of Light
ここは長時間の運転でヨレヨレになったわたしの目を一気に覚ましてくれました。
下の子は初めは怖がってたけど、3人ともすごく気に入った作品。




トンネルに切り取られた日本三大渓谷とされる清津峡が美しく、最後の水を張られたところでは脚が冷た〜くなってもこどもたちはなかなか出てくれませんでした。
また行きたいと思える場所でした。

トンネルから出るとこの日泊まる予約をしていた三省ハウスから電話で、前日の宿泊客からコロナ感染者が出たので消毒等のため別の宿に振り替えて欲しいとのこと。
そのかたくりの宿は予算的に諦めたところだったけれど、リーズナブルな三省ハウスの料金のままで泊まらせてもらえるとのことでラッキー♪

それから清津峡近くのカフェ清津百貨で遅めのランチ(結果的にここが今回の新潟旅行で唯一の外食!)。
ちょっとお高めだったけど、予想以上に美味しかった〜。

この芸術祭では、広いエリアにアート作品が点在していて、車で巡るにも戦略的にいかないとなかなか回りきれないんだけど、わたしは土地勘がない上にほとんど予習して行かなかったので要領悪かったかもですが、青々とした稲の苗が育つ田んぼの中そして樹が繁る山道など、ただ走っているだけで素晴らしい光景でした。

次は、これまで大地の芸術祭に関する情報でよく目にしていた代表的?な作品「たくさんの失われた窓のために」です。



この広大な風景を切り取る窓に風にたなびくカーテンをつけたところがおおらかであると共に繊細でとても素敵。

続けて「ポチョムキン」という鉄でできた公園。





夏休みだけど平日だからか他にほとんど人もおらず、川沿いの静かな公園で、こどもたちには珍しいタイヤのブランコからなかなか離れず。

最後に「スネーク・パス」という想像を上回った作品を観て(わたしはもう少しほかの作品にも寄りたかったけど、こどもたちはもう宿に行きたがったので)、え?こんなとこ行くの?というような山道を通ってかたくりの宿へ。

ここは廃校を改築した温泉宿で、食事がとっても美味しかった!
メニューにはわたしが普段飲まないビールや日本酒しかなかったけど、こんな料理で飲まないわけにいかないし、前の晩から運転がんばって無事新潟に着いたわたしに地ビールで乾杯♪
こどもたちにはわかりやすい美味しさではなかったようで食べなかったものもわたしがいただいておなかいっぱい〜。
さすがに白飯の旨さはこどもたちにもわかり、おかわりに次ぐおかわりでした。
そして温泉に浸かり、広い和室の個室で、疲れを癒すことができました。