「あいちトリエンナーレ2019」で展示中止に追い込まれた『表現の不自由展・その後』は、公共空間や公共施設で検閲や規制を受けた芸術作品を集めて紹介・展示する企画展で、第二次世界大戦の従軍慰安婦の〈平和の少女像〉や昭和天皇の写真などが燃える映像作品がよく知られていると思います。
私も2年前あいちトリエンナーレでこの展示を観られなかった1人で、今回東京、名古屋に続いて大阪でも開催されると知って、2年前から持ち越したものを取り返すような気持ちで行くつもりにしていました。
それが、あいちトリエンナーレと同様にこの展示に反対する人たちの妨害によって東京でも名古屋でも展示が中止となり、大阪でもあわや会場施設が利用取り消しとなりそうになりましたが主催者が裁判に訴えて大阪地裁・高裁とも勝訴し、最高裁では施設側の抗告が棄却されて、当たり前のことなんだけど司法は間違えなかったとほっとしました。
7月16日(金)〜18日(日)3日間、整理券を配布して時間制で入場するというシステムで、平日の今日だったら簡単に入れるとタカを括って整理券配布開始時間の9時を回ってから行ってみたら整理券をゲットするだけで長蛇の列!
そして、最初の枠で観たかったのにもう売り切れで、夕方の枠を取って出直すハメになりました。
それにしても、上空でヘリコプターが旋回し、警察官がずらっと並び、報道陣がカメラを構える中で整理券の列に並ぶのはちょっとした緊張感がありました。
朝は物々しい雰囲気の中、反対派の人は見かけなかったのですが、夕方行くと街宣車が1台大音量で音楽を鳴らしながら会場周囲を回っていて、警備の人多数で物々しい雰囲気は相変わらず。
会場に入ると、1時間50人入れ替え制なので混雑もなくじっくりと見ることができました。
ここまでくると、作品に触れることより展覧会に来ることがゴールになってしまうんじゃないかと自分のことが心配になったりもしてたんだけど、実際には普通の展覧会のようにちゃんとそれぞれの作品を楽しめました。
それぞれの作品が一部の人にとってそんなにタブーなのか、それを否定するつもりはないけれど、だからといって展示を妨害するのは絶対に違う。
まずは、展示を観ることから始めるのが筋じゃないかと思うのでした。
会期あと2日、展覧会が全うされ、作品に出会いたい人が出会うことができますように。
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