ここしばらく大阪市の補助金問題で話題にのぼることの多い文楽ですが、実は今まで観に行ったことがありませんでした。
観たこともないくせに「簡単に補助金カットしたら駄目だ。伝統芸能は保護するに値する」と思っていましたが、このたび8年ぶりに「仮名手本忠臣蔵」が通し上演されるという記事を見て、特に年末にはよくテレビでも見かける知られたストーリーなので初心者にも絶好のチャンスだと出かけました。
この通し上演というのは、朝10:30から夜21:00まで、25分の休憩が3回と5分の休憩が数回あるだけでほぼぶっ通しという、演者はもちろん観客にもハードなものです。
一応第一部と第二部に分かれていたので、私は2日に分けて観ることにしました。
座ってるだけというのも意外としんどいものですよね。
そして初文楽は、正直ところどころ眠くもなったけど、やっぱり残していきたいと思えるものでした。
某大阪市長は「2回観たいと思わない」とのたまったそうですが。
人形遣いと三味線、語り手の方々はけっこう年齢層がひろそう。
語り手の言葉は聴いているだけだと意味がわかりづらいものも多々ありますが、ちゃんと舞台上部に電光掲示板で字幕が出るのです。
これでたいていの意味はわかりました。
それから三味線は文楽でなくともかっこいいですよね。
今回はお試しで2等席を買ったので、舞台からの距離もあって人形の細かい表情はよくわかりませんでしたが、1体の人形を3人の技芸員が操っているのにしばらく観てると人形自体が動いてるかのような錯覚もありました。
平日の昼間なのに満席で、文楽への危機感からなのか「忠臣蔵」という人気演目のせいなのかわからないけど、少しほっとしました。
和服姿の人もちらほらいて、華やかな雰囲気です。
それにしても、2等席なら通しで1日中いたとしても5000円もしないのです。
1等席でも10000円を切るので、これだけのものを観せてもらって申し訳ないくらい。
もうちょっとお金とって、補助金頼みの状況を打開できるくらいになるといいのになあと思いましたが、高くなるとまた人が行きにくくなるんかな。
外国人も少しだけいましたが、途中で席を立った人もいれば熱心にメモを取る人もいました。
それから、隣の席になった女性は名古屋から泊まりがけで来たそうで、少し前に名古屋に巡業で文楽を観て以来はハマっちゃったとのこと。
私はハマりはしなかったけど、時々こういうのにも触れたいなあと思います。
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