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2013/03/28

修学院離宮

本命は桂離宮でしたが3ヶ月先まで予約いっぱいで空きなし、修学院離宮なら予約できたので初めての参観です。
同級生の同業者Eちゃんと一緒に参加しました。

3月中旬でしたがブラウス1枚で十分なほど暖かい(暑い)日で、日傘を持たずに行ったのを後悔しました。



門の屋根は杮葺き。
塀とも経年変化でいい具合です。



なんとも贅沢な庭園の先に建物があります。


これ見よがしの派手さはなく落ち着いた部屋です。


この樋の掛け方をわたしは初めて見たのですが、素朴ながら野暮ったいわけでなく、とても気に入りました。
竹をただ半割にしただけのようなので、数年ごとに掛け替える必要はあるんでしょうね。


この建物はL字型に和室が配置されていて、どの部屋からも庭園が楽しめるようになっています。
そして、できるだけ開口を広く取るために建具の戸袋をなくしてしまっているので、全開口するときには建具は外してしまうとのこと。
思い切ったデザインです。



そのため、写真ではわかりにくいのですが、枠の出隅部には板戸を回転させるための金具が取り付けられています。



何カ所かある門の扉のデザインも素敵。


松並木の間を天皇たちが馬に乗って通った道。
こんな形の低い松があるんだなぁ。

実は土手のようになっているこの並木道より低いレベルは畑になっています。
皇室用の野菜を作っているのか!?と、私たちを案内してくれている人に聞くと、なんと普通に有料で貸し農園をしてるとのこと。
完全予約制で、入口で身分証明書も確認され、参観に宮内庁警察がついて回るような場所で、一般人に貸し農園て!


なぐりの塀もいい色になってます。


門の控えがやけにごついです。


竹塀は最近やり替えたようで、ぴかぴか。
やっぱり時間がたった方がしっくりきていいですね。


こちらも庭園に隠れるように建物があります。


違い棚のバランスが絶妙。
そして、壁紙といっていいのか、幾何学模様とこの色彩のチョイスのセンスが素晴らしいと思います。


この部屋から眺めるお庭。
ちょうどお昼になる時間帯ですが、日影になってるんですね。


内法高さと半間のハイサイドライト的な開口部の高さをわざと変えているところが面白い廊下部分。


現代では使えないでしょうが、この低く抑えられた欄干がまた素敵ですよね。


軒先はなぜこの形?


いちばん高いところにある建物。


何度もこの景色を見てるだろうに、宮内庁警察の方が端のところでこの景色を写メ撮ってました。
やっぱりお天気の日にこれだけの景色を見るとついつい残しておきたくなるんでしょうか。
「よいよい」とEちゃんとニヤリ。



三和土には「ひふみ石」が埋め込まれています。




一段高くなったところは天皇が座る場所で、ここから絶景を見下ろすのです。
文字どおり特等席。


部屋の周りの縁側部分の床板が、部屋側の1枚だけ板目だったのはなぜなのか、案内の方に聞きそびれ今も気になっています。



日本庭園は非常に計算されて作り込まれているのですが、西洋の庭園と対極にあります。
例えばヴェルサイユ宮殿の庭園なども有名ですが、日本庭園と違った緊張感と人工的な雰囲気に満ちていて、わたしは何かストレスを感じます。
日本庭園も様式美をもった自然を表現するのに、かなり人為的で緊張感がありますが、何かが違うんですよね。
どちらかといえばイングリッシュガーデンは日本の庭に近いかな、とか思いながら歩きました。

ここから少し下るとまた貸し農園があって、ブルーシートが視界に入ってきたりしてEちゃんと「ブルーシート禁止〜!」と言いながら、この広大な離宮を駆け足で後にしました。
ほんともっとゆっくり過ごしたかったのですが、案内人の方と一緒でないとダメなのでせかされるのです。

桜の時期や紅葉のシーズンだとさらに素晴らしいでしょうが、そうなると予約は全く取れないでしょうね。
桂離宮もそのうち行きたい!

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