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2020/07/30

母のレシピ

実家の母がもう自分で料理できないくらい弱っている。
はっきりとは覚えていないけれど、ちょうど新型コロナウィルスで緊急事態宣言が出たあたりくらいからだっただろうか。
だから、そうなってからまだ半年やそこらなんだけど、母が作るわたしの夫の好物をわたしが自分で作ってみようと先日レシピを母に尋ねたら、なんと「どうやって作ってたかねぇ」と言う。
え〜、何年も作ってきた料理なのにそんなに簡単に忘れちゃうの!!!
その心許なさにびっくりしてしまった。
お袋の味を全然引き継がずにきてしまって、今からじゃ手遅れなんだろうか。
宅配のお弁当やスーパーのお惣菜では満足できない母に、ときどき手作りのおかずをクール宅急便で送るようになった娘の胸はざわざわしています。

2020/07/03

EVERY LIVES MATTER

大袈裟なタイトルになっちゃったけど、ちょっとモヤモヤしてる話。

昨日、こどもの小学校区で「子供被害情報」として登録してる大阪府警メールが届き、その後学校からも手紙が配布されました。


小学生が東南アジア系外国人にすれ違いざま急に手をあげられてびっくりした、という『被害』!?
その外国人が親しみをもって「Hello!」と手をあげたのか、悪意をもって脅そうと手をあげたのかわからないけど、その小学生もびっくりしただけよね?
驚いてコケてしまって怪我したとかでもないよね。
それなのに、この外国人はまるで不審者扱いで特徴や身なりまで挙げられています。

注:この手紙をうちの小3男子に読んでやると『金色のチェーンネックレスをして』のところで「かっこいいやん」だと。

この外国人がもし東南アジア系でなく欧米人だったらこんな扱いになっただろうか、と思うんです。
近所に専門学校があって、そこでいわゆる東南アジア系の留学生がたくさん学んでいるようで、地域の交通安全教室だったかに集団で参加されているのを見たことがあります。
昨日の外国人がその留学生の1人だという可能性は低いかもしれませんが、隣人であるかもしれないその外国人を、まさか見た目で差別してないかという思いが拭きれません。

今、アメリカそして世界中で『BLACK LIVES MATTER』と黒人差別に対する動きが大きくなっていますが、黒人のみならずどんな人種・国籍に対しても差別はあってはならないのです。
日本人だって欧米の白人社会では差別対象となりうるんだから。

この手紙の件で、学校に意見しようかと鼻息荒くなりそうでしたが、先日もこどもの腹痛で市の教育委員会のいいなりの新型コロナウィルス感染対策ということで余分に2日も学校を休むよう言われて「根拠もないのにこどもの学習権を奪おうとしてないか」と一筆書いたところなので、ややこしい保護者だとさらにマークされそうで、どうしようかモヤモヤ考え中です。

2020/07/02

『そして、バトンは渡された』

瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』


たしか話題の本だったよなぁ、と読んでからわかったのが2019年の本屋大賞受賞作品。
たしかにたしかに、これは誰かに伝えたくなる本だと思いました。

私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。

生みの両親の後、何人もの血の繋がらない親の元でバトンを繋ぐように次々と愛情をもって育まれた少女の物語。
ファンタジーだとわかってはいるけれど、とても温かい気持ちになり最終章では涙が出てしまいました。

私自身、血の繋がらないこどもたちと暮らしている(育てていると言うのはちょっと気が引ける)わけですが、ちゃんと愛情をたっぷり注げているのかというと、将来こどもたちに聞くのがこわいというのが正直なところです。
でも、家族って血縁じゃないんだ、一緒にごはんを食べて喋ってそばにいることなんだ、と言ってもらえたようで、背中を押してくれる本です。

まぁ、家族が変わるたびに苗字が変わらなくていいんじゃない、とか、結婚式で最後の父親から新郎へとバトンが渡されたというところなど、主人公が女の子じゃなかったら成立してたのかな、などのツッコミはありますが、登場人物がほぼ善人だけだというのはフィクションのいいところですね〜。