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2017/03/20

辻井伸行リサイタル

盲目のピアニストとして有名な辻井伸行さんのリサイタルに出かけました。

いちばん安いチケットだったので、ザ・シンフォニーホールの最上階の後ろの席。
身を乗り出してぎりぎり演奏する姿が見える位置だったのでずっと前のめり、おかげでいつもは半分くらい眠い状態のクラシックの演奏も目を覚まして聴けました。

スタッフの方?に腕を借りて袖から舞台中央のピアノまでひょこひょこと彼が歩いて登場し、椅子に座って弾き始めるとあっという間に豊かな音の世界がひろがりました。
独特の首を振る動きはあるけれど、エモーショナルな表現の動きがないのが特徴かな。
バッハ、モーツァルト、ベートーベンの比較的知られた曲だったので、親しみやすい内容。

素晴らしい才能があるのは言うまでもないですが、絶望せず彼をここまで育て導いた親御さんの気持ちをどうしても考えてしまいます。
彼にしたら『盲目のピアニスト』という肩書きなしで純粋に演奏を聴いてほしいでしょうけど。

今回感じた2つの疑問。
ひとつは、女性のピアニストはだいたい肩から肌もあらわなドレスで演奏することが多いと思いますが、男性はほとんどタキシードなどジャケットを着ていて、ピアノを弾くのに窮屈ではないのか、ということ。
わたしだったら肩が凝りそうです。
もうひとつは、目が見えなくて楽譜が読めない場合、誰かに弾いておしえてもらうんだと思いますが、曲を覚えるのにそのおしえてくれる人のクセも覚えてしまわないか、ということ。

プログラムが終わっても拍手がなかなか鳴り止まず、辻井さんは何度も舞台に出て挨拶をし、3回もアンコールの演奏をして、そのうち自作の1曲の説明をする様子がすごく素朴で、また親心になって見てしまいました。

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