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2013/09/30

松江・出雲

わたしは生まれてから高校卒業まで、出雲と松江で育ちました。
今回久しぶりに約1週間帰省してゆっくり過ごしてきました。
関西でもかなりの被害をもたらした台風18号が過ぎた直後の週で、台風一過で山陰では珍しく秋晴れが続きました。

というわけで、ピクニックもどき。


宍道湖畔では、サラリーマンがひっそりお弁当でランチタイムを過ごしていました。
この景色、ほとんど独り占めで贅沢です。


また別の日には、松江城の敷地でお昼ごはん。
実家から歩いて数分の素敵な場所ですが、蚊の攻撃が激しくて、あまり落ち着いて食べられませんでした。

子どもの頃ははやくこの田舎町を出たくてしょうがなかったのですが、こうやってみるとちょっと行けば絵になる場所がたくさんある松江という町は本当に綺麗なところだと思います。
あの頃には見えてなかったなぁ。



島根県立美術館の屋外にあるうさぎの彫刻は、奈良のせんとくんをデザインした作家さんによるものです。
12羽いるうさぎの前から2番目をなでると縁結びにご利益があるという触れ込みで、このうさぎは他のと光沢が違っています。
最近はシジミの殻を供えるとさらにご利益が、ということになってるらしく、ご覧のとおりの状態・・・。
ほんまかいな!


60年に1度の大遷宮を終えた出雲大社へ。
平日にもかかわらず観光客で賑わっているのがすごく嬉しい地元愛を自分に感じました。
以前の参道はなんだかさびれてさみしい感じだったのですが、この大遷宮とパワースポットブームに合わせたんでしょう、きれいに整備されて新しいお店が増え、賑わいを取り戻すことに見事に成功していました。


これまで何十回となく訪ねている出雲大社ですが、飽きることがありません。
真新しく改修された本殿が雲ひとつない青空に映えていました。
背景に人工物が何も目に入らない希有な光景だと思います。
これが山陰特有の曇天の日もまたかっこいいのです。


葺き替えられた檜皮の端整さもいいですが、葺き替えを待つ60年ものの屋根の味わいも・・・




苔が山盛り。


出雲大社へ行く道中で発見した物体。


屋外の現代アートかと思って車を停めると、そのまんまヤクルトの営業所の駐車場入口でした〜。



2013/09/12

『あいちトリエンナーレ』

今回の名古屋行きいちばんの目的は『あいちトリエンナーレ』でした。
トリエンナーレとは3年に1度のアートのお祭り(ビエンナーレだと2年に1度)。
街中のいろんな場所で現代アートがみられます。

今回の大きなテーマは「揺れる大地」。
東日本大震災を直截表現したものから、足元をすくわれるような思いをするものもあったり。

わたし自身はけっこう楽しみましたが、小さい人はつき合わされて連れ回されてどうだったんでしょう。
わたしも初体験のベロタクシー(自転車タクシー)に乗ったときがいちばん1歳5ヶ月の人のテンションが高かったように思います。

「われわれはどこに立っているのか」。
確固たるものはあるんでしょうか。
気に入った作品はゆらゆらしていました。


それから、関西の建築家・宮本佳明さんの作品のひとつもおもしろい発想でした。


福島第一原発に神社の屋根をかぶせるというもの。
放射能が消えるまでに途方もない年月がかかるけれど、そのずっと先の子孫にここは不可侵の場所だと伝えるのにこの形をとる。
その年月はわたしたちの言語さえも変わってしまっているかもしれないほどで、それでも伝え続けなければならないことが、ここで起きてしまったのだという事実があるのです。

トリエンナーレの展示会場のひとつが地下鉄駅に隣接した伏見地下街でしたが、昭和の風情がいい感じ。




3つめの写真は靴の修理屋さん。
若い職人さんが仕事をしていましたが、店構えがかっこよかった!


名古屋といえば味噌。
せっかくなので、みそ煮込みうどん、みそ串かつ、どて煮、みそ煮込みハンバーグなど食べてきました。
それと、手羽先も。
心残りはひつまぶしですが、次の機会を狙います。


たぶんボランティアの市民の方がたくさんスタッフとして配置され、みなさんフレンドリーで和みましたが、ボランティアであっても自分が担当する作品については知っておいてほしいなと、ちょっぴりつけ加えておきます。

2013/09/10

不自由なお出かけ

1歳5ヶ月の人と2人で大阪から名古屋へ行きました。
ベビーカーを押しながら旅行かばんをかついでの2泊3日、身体が壊れそうです。

二足歩行ですいすい行ってたときには気づかなかったバリアが街にはたくさん!
当事者になるまでわからなかった自分にもびっくり。

あちこちでプリプリしてしまいましたが、こんな経験たくさんの方がしてきたことなんでしょうね。
しかも今はまだマシなんでしょうね。
昔はなかったエレベーターが後から設置されたのはいいけれど、端っこの不便な場所しかあいてなかったとしかいえない状況で、しかもエレベーターの乗り継ぎも多い。
それはある程度仕方のないことだと思いますが、そうなると重要になってくるのがサインです。
気の効かない表示のおかげでずいぶんうろうろさせられました。
サインが効果的であればストレスはかなり軽減できるはずです。

私は今のところ期間限定のこの不便な状態ですが、ずっと車椅子生活の方など我慢強く遠回りを続けてらっしゃると思うと胸が痛みます。
容易く口にするバリアフリーの意味を身をもって実感しています。

それにしても、人は意外に親切で、そしてときに優しくない、と感じるこの頃です。