ページ

2016/02/27

展覧会*3

今月は3つの展覧会に行きました。


まず、京都・細見美術館の春画展
イギリスの大英博物館で話題になった春画は、日本では初めての展覧会だそうです。
『世界が、先に驚いた。』というコピーのとおり、日本人は外で評価されて初めて価値があると知るところがありますよね。
かつて日本人はこんなにもおおらかだったんですね。
春画に描かれているのが現実の風俗だったのか、本を読んだりすればわかるかもしれませんが、ただ観るだけでも相当おもしろかったです。
いわゆる大人のおもちゃが描かれていたり、元絵があってパロディ化されていたり、海女さんが大蛸と通じていたり・・・
大奥?に忍び込んだ坊さんが逆に女房たちに捉えられて欲求のはけ口にされていたり、現代でいえばしょーもないストーリーのAVのようです。
さすがに人気で、開館時間に行っても行列で、コンパクトな美術館が大盛況でした。


それから、もう会期は終わってしまいましたが、京都市美術館の『琳派降臨』展。
こちらは春画展ほどの人出はなく、ゆったり鑑賞できました。
琳派とその後の流れを追った展示で、わたしのお目当ては福田美蘭さんという現代の作家。
琳派とは遠い昔の芸術ではなく、日本人の美意識のDNAに組み込まれていて各時代で自ずと継承されているという主旨は、これもなかなかおもしろかったです。


最後に、国立国際美術館の『エッケ・ホモ 現代の人間像を見よ』展。
うーん、けっこう生々しい人間像を様々なアプローチで見せられました。
胸がざわざわします。
同時開催の『竹岡雄二 台座から空間へ』展は、作品を置くための台座自身が作品という、しかも台座ばかりの展示。
ちょっともやもやします。
そしてコレクション展は、これまで何度も通ってる美術館なのに見たことがない収蔵品がまだまだあるんだと、わくわくさせてくれました。

2016/02/16

出雲大社 庁の舎(ちょうのや)

わたしの地元、島根県にある1963年竣工の菊竹清訓設計の建築です。
手元にちょうどいい写真がないので、この建築を紹介しているサイトをいくつか載せさせていただきます。

ACe建設業界:一般社団法人日本建設業連合会
建築の詳細はそれぞれのサイトにおまかせするとして、厳かな出雲大社の境内にあってなんともいえない佇まいをみせるこのコンクリート建築を、わたしはとても気に入ってます。
(初詣で奥のトイレも毎年使わせてもらってます。笑)

しかし少し前に知ったのですが、この庁の舎がこの春にも解体されるという話があるということで、いてもたってもいられず出雲大社に電話してしまいました。
対応された担当の方?からは、まだ決定事項ではないけれど、構造的な不安からこのままにはしておけない、という話だけ聞けました。
そして多くの建築関係者から保存を望む声が届いているということも・・・


わたしが幼い頃からそこにあって当然のもの。
そして、大げさかもしれないけれど、全国からこれを観にやってくる人が絶えないという地元の宝として、単なる取り壊しにならないよう、強く願います。


後日、このことを電話で実家の母に伝えましたが、どの建物の話かピンときていない様子。
出雲大社には何度となく訪れているので、たぶん、実際見るか写真でも見せれば「ああ、これのことね」とわかるはずですが、建築関係者以外とくに興味のない人にはこの程度の認識なんでしょうね。